開幕3戦目にして今季初勝利を手にしたサンフレッチェ。欲を言えばホームでの連戦となった開幕からの2試合で、なんとか勝ち星をつかみたいところでしたが、及第点のスタートを切ることができたのではないかと見ています。
少しずつですが前の試合での課題を解消できている点は評価したいポイントです。

開幕戦(対清水 △1対1)では城福監督も指摘していたように、ボールを保持することに終始し、相手に脅威を与えるプレーが少なかった印象ですが、次節の磐田戦(△0対0)ではパスを縦に入れていく意識が見られました。
個人的には、バランスを取って磐田戦ではもう少しボールを大切にする意識でプレーしても良かったかと思いますが、その点はシーズンを経ていけば選手同士で感覚を共有できてくると思います。

C大阪戦では、ほとんどボールをキープできず厳しい戦いを強いられましたが、試合の価値は高かったと思います。サロモンソンのゴールは相手DFのミスから生まれたラッキーな得点と見ることもできますが、チームとしてあの一瞬のミスが生まれる瞬間を狙っていたのではないでしょうか。
C大阪は最終ラインからボールをつないでいくサッカーを構築しようと試みているチームの一つですが、まだ発展途上の部分があります。おそらくサンフレッチェのスカウンティングとしては、最終ラインでミスが出る可能性が高いと読んでいたはずです。
そういった意識がチームで共有できているとすれば、今後の見立てとしても非常に明るい部分があるのではないでしょうか。



(広島アスリートマガジン2019年4月号から一部抜粋・続きは本誌にて掲載)


▼ 吉田安孝(よしだ やすたか)
1966年11月22日生。広島県出身。元サンフレッチェDF。現在は広島テレビ「進め! スポーツ元気丸」などのサッカーコメンテーターとして活躍中。