明治安田J1百年構想リーグの地域リーグを4位で終えたサンフレッチェ広島。来シーズンに向けた積み上げの期間ともなった約半年間、苦しんだ期間を超えてサンフレッチェがつかんだものとは。クラブOB・吉田安孝氏が、地域リーグでの戦いを改めて振り返っていく。(全2回/第1回)
◆『ガウルスタイル』の確立へ。チャレンジと修正を繰り返した半年間
明治安田J1百年構想リーグ地域リーグラウンドが終了し、サンフレッチェはWESTグループを4位という順位で終えました。ここからはJ1全体の順位を決めるプレーオフラウンド(PO)を戦うことになります。ホームでのPO第1戦は、中村草太と加藤陸次樹のゴールで先勝を収めたサンフレッチェ。今週末の第2戦もしっかりと勝ち切り、全体順位7位をつかんでほしいところです。
今回は、一度限りの『明治安田J1百年構想リーグ』という特別大会を振り返りながら、注目選手についてお話ししていこうと思います。
2月に開幕した百年構想リーグでは、サンフレッチェは3連勝と非常に好調なスタートを切りました。
もちろん勝利を求めるのは大前提ではありますが、この特別大会は、さまざまな変化を迎えたサンフレッチェがチャレンジする半年になるだろうとも思っていました。監督が代わり、サッカーのスタイルも変化することが予想されたシーズン、これまで積み重ねてきたベースにプラスαを加えた『ガウル流』のサッカーを試す絶好の機会だったのではないかと思います。
ただ、出だしは好調ではあったものの、特別大会を通じて好調であり続けたわけではありません。
特に3月、4月は苦しい時期が続き、アウェイで3連敗を喫したこともありました。ただ今は、あの苦しみがあったからこそプラスになった面もあるのではないかと感じています。もし特別大会をとんとん拍子に終えていたとしたら、自分たちの課題や修正点が見えないまま、新シーズンに入って行くことになっていたかもしれません。チームがチャレンジをした結果、課題が見え、それをトレーニングと試合のなかで一つひとつ修正していくことができた。そう捉えると、この半年間はサンフレッチェにとって、非常に有意義な期間だったのではないかと感じます。
特別大会終盤の試合を見ていて感じたのは、選手それぞれが自分自身の武器をピッチで表現できていたということです。
例えば中村草太のスピード。京都戦(5月17日、◯4−0)の1点目、名古屋戦(5月23日、◯4−2)の1点目のいずれもドリブルで縦に突破していきました。なかなかスペースがないなかでも縦に突破できるスピードと推進力は、間違いなく中村の武器になっています。対戦相手にとっても脅威になっていることは間違いありません。

