─ 川辺選手個人としては、昨季はどんなシーズンでしたか?

 「磐田から帰ってきて、たくさん成長した部分があったにもかかわらず、それを発揮できる場面がほぼないに近かった印象です。一昨年の順位を受けて、現実的なサッカーをしていましたから、僕個人としては悔しい思いもしましたが、しょうがないかという思いもありました。合わせるという言い方が正しいのかわかりませんが、どんな状況であれ自分を生かす方法があればと思いながらシーズンを戦っていました」


─ 昨季最終節の札幌戦ではサイドではなく、前線の中央でプレーをされていましたが、手応えはいかがでしたか?

 「広島のあるべき姿を見せられた試合だったんじゃないかと思います。僕自身プレーしていてすごく楽しかったですし、あの試合はすごく大きかったですね。勝てはしませんでしたが、もし従来通りの戦い方を取っていたとしたら2点を奪われた状況から同点に追いつくことはできなかったんじゃないかと思います。あの1試合でシーズンの集大成を見せることができたと思いますし、あの試合を見たことでチームに戻る決断をしてくれた選手はいると思います。最後の試合に関しては、相手を見ながらプレーできましたし、ボールを大事にするという基本的なところができていたのが良かったんじゃないでしょうか。個人的にもあの試合で希望が持てた部分はありました」


─ オフには複数クラブからの獲得オファーがあったようですが、チームに残留した一番の要因は何ですか?

 「いろいろ悩みましたが……今季はACLがあるので、単純に試合が多くなります。平均年齢が比較的高いこのチームを引っ張っていかなければいけないのは、自分たちの世代だと思っています。やっぱりそこが一番の理由です。また野津田さんが帰ってくるというのも自分の中では大きかったです」


(広島アスリートマガジン2019年3月号から一部抜粋・続きは本誌にて掲載)


▼ 川辺駿(かわべ はやお)
1995年9月8日生、広島県出身、A型、23歳。
2018年にレンタル移籍先の磐田からサンフレッチェに復帰したMF。昨季は慣れないサイドでのプレーに苦戦したが、今季は持ち前の推進力を武器に前線中央でスタメン奪取、フル回転を狙う。