いよいよ今月末にJ1リーグが開幕する。サンフレッチェは2月27日に、ホームのエディオンスタジアム広島でベガルタ仙台と対戦。ここでは、さらなる飛躍が期待されるサンフレ戦士を編集部目線で紹介していく。

昨季のリーグ開幕戦でダメ押しの3点目を決めた森島司選手。

 昨季から中心選手の象徴ともいえる背番号10を継承するなど、今では押しも押されもせぬチームの要となった森島司。そして決定力が課題のサンフレッチェにあって、城福浩監督が攻撃面でもっとも重視しているのが2シャドーの存在だ。

 実際、昨年末に行われたシーズン総括会見では、「より点を取っていくことを考えると、1トップに近い場所で2シャドーにはストライカーの役割を担うことを求めていきたい」とコメント。となると必然的に今季のキーマンは、シャドーの一角を占める森島ということになる。

 2019年シーズン、ACLでの活躍を機にブレイクした森島は、入団後の3年間のうっ憤を晴らすようにスタメンに定着。昨季も年度初戦のルヴァン杯(横浜FC戦)で絶妙なアシストを決めると、リーグ戦第1節(鹿島戦)でも勝負を決定づけるゴールを記録した。

 ところが、チームと共に最高の滑り出しを見せながら、新型コロナウイルスの感染拡大を受け2月25日にJリーグ全公式戦の中断が決定。5カ月弱の中断期間を経て開催された神戸戦で再び3-0の完勝を収めたものの、続く大分戦で逆転負けを喫してからは次第に選手間の歯車が狂い始めた。森島が当時を振り返る。

「もちろん、開幕戦の勢いのまま試合をしたかったですけど、こればかりは仕方ないです。ネガティブになっても仕方ないですし、監督や周りのみんなも『やれることをやるしかない』という感じで『中断期間も、しっかり練習していこう』という前向きなものでした。ただ本音では、早く再開して試合をやりたいという気持ちがありました」

 東京五輪の日本代表候補でもある森島は、過密日程の中でも大半の試合でスタメン出場を果たした。またターンオーバー的な試合でも、後半から試合に出場。サンフレッチェの主力選手として、トップ下で存在感を見せ続けた。

 ただ、ゴール数(5得点)は一昨年より二つ増えたものの、アシスト数は7から1と大幅に減少。フリーキックで改めて非凡な才能を見せつけたものの、シャドーとしてはやや物足りない数字となってしまった。

「シャドーをやっている以上、得点とアシストは強く意識しますし、やらないといけないものなので常に狙っています。今後得点シーンがあったときも『やっぱり森島が得点に絡んでいたな』と思ってもらえるように、常に得点を意識してやっていきたいと思っています」

 今季はシステムを4バックに変更し、より攻撃的なサッカーを目指すことが濃厚なサンフレッチェ。その中で森島の数字が昨季を大幅に上回るようなら、6季ぶりのタイトル奪取も現実味を帯びてくる。