一軍キャンプスタートとなった羽月隆太郎。カープの元気印で連日、泥まみれになりながら猛練習に取り組んでいる。

◆無観客とお客さまがいる状態では全然違う

 でも今年は、キャンプも無観客なんですよね。コロナの状況を考えたら仕方のないことですけど、やっぱり練習とはいえ、人に見られることは大事なことだなと思います。オレの経験上、無観客とお客さまがいる状態では全然違うし、緊張感とかも違いますから。

 もちろんカメラの向こう側で映像越しで見られるとはいえ、誰もお客さまがいない中でキャンプをしていくのは、例年とはかなり感覚が変わると思います。どんなにベテランの選手でも、今年初めて無観客キャンプを経験しているわけで、どういうふうに感じているか聞いてみたいですね。

 逆にルーキーの選手たちにとっては、アマチュア時代はそこまで多くの人に見られながら練習をすることはないでしょうから、無観客でもあまり違和感はないかもしれないですね。ただ、シーズンが始まったら常に多くのお客さまに見られながらプレーをするわけで、そういう意味ではキャンプ中からお客さまに見られるという経験ができないことになる。いずれにしろ選手にとっては、いろいろと難しいキャンプになるのかなと思います。

 一軍、二軍のキャンプのメンバーをチェックしたら、一軍の方には若い選手が目立ちましたね。昨年のドラフト1位の栗林良吏投手を始めとしたルーキーが4選手、さらに大盛穂選手、羽月隆太郎選手など、昨年一軍を経験した選手も多く入っていて、各選手のさらなる成長を期待しているのが感じられます。

 あと、一軍のキャンプの投手陣の顔ぶれを見ると、年齢的にも実績的にも九里亜蓮投手が投手陣を引っ張っていくような立場になったなと感じましたね。実績のある大瀬良大地投手、野村祐輔投手が二軍スタートで、クリス・ジョンソン投手も退団してしまった。

 以前にもこのコラムで触れましたが、今年の九里投手には昨年の安定感と活躍を継続することが求められると思いますし、より責任が増してくると思います。実際キャンプでは、第1クールからブルペンで相当に投げ込みをしているみたいで、今年に懸ける九里投手の気持ちが出ているのかなと思います。