昨季は緊急事態宣言解除後の神戸戦で右大腿二頭筋を損傷するなど、シーズンを通じてやや消化不良の感もあった柏好文。ただ今季はヤン・ヨンソン監督や城福浩監督の就任1年目に経験のある4バックが復活。新システムの中で生粋のドリブラーが本来の輝きを取り戻す。

今季は主に左サイドハーフでの起用が予想される柏好文選手。

◆コロナ禍の中で感じたサッカーができる喜び

——昨年はケガもあり、やや不本意なシーズンだったのではないでしょうか?

 「そういう年もあると思って割り切れました。ケガもありましたけど時代が時代というか、コロナでいろいろあった中でサッカーができるのが当たり前じゃないシーズンだったと思うので、そこは個人の結果も大事ですけど、サッカーができるありがたみ、中断してなかなかできない中でも好きなことでしっかり給料をもらえるというところでは感謝の1年だったのかなと思います」

——最高の開幕ダッシュを見せた中での中断でした。そのときのメンタルは、どのようなものだったのでしょうか?

 「再開後に良いパフォーマンスをするために、自分としては最大限のことはやれましたし、世間がそういう状態だったので中断は仕方ないと思っていました」

——ただ、再開直後の神戸戦で右足を負傷。目に見えない部分で、影響はあったようにも見えました。

 「最善を尽くした上での結果なので『こういう理由があったからケガをした』とは思いたくないですね。逆にその後にどう立ち振る舞えるか、復帰のためにどれだけ良い準備ができるか。自分としてはすぐに気持ちを切り替えることができました。もちろんケガをしてプラスなことは一切ないんですけど、復帰したあとはまたチームに貢献できるように、という気持ちで練習に取り組んでいました」

——直後の大分戦で逆転負けを喫してからチームの歯車が狂い始めたように思います。柏選手はピッチ外から見て、その状況をどう捉えていましたか?

 「出ている選手は自分を表現できる場で最大限、頑張っていたと思いますし、勝負事は勝敗が付き物なので仕方ないと思う部分もあります。ただ良いときは良かったと思いますし、悪いときにどんどん引きずらないチームが良いチームだと思うので、そこで完全に崩れなかったのは良かった部分ですよね」