2016年に25年ぶりにリーグ優勝を果たした広島東洋カープ。ここから低迷期を脱して球団史上初のリーグ3連覇を果たした。写真は2016年11月5日に広島市内で行われた優勝パレードに参加した現役時代の天谷宗一郎氏(写真右)

◆強くても弱くても応援されるチームとは?

坂上 カープで言うと、25年ぶりに優勝を果たした2016年あたりからの盛り上がりはすごかったですね。

天谷 そうですね、マツダスタジアムという素晴らしい球場も1つのきっかけだと思いますし、『カープ女子』という言葉が出てきたように、カープが盛り上がっていく要素がたくさんありましたよね。

2016年に25年ぶりの優勝を果たしたカープ。ここから3連覇を果たすなど、球団史に残る強さを発揮した。

森﨑 天谷さんが言ったように、強ければ自然と応援したいと思われる方も多いと思いますが、広島県は熱しやすく冷めやすいと部分もありますよね(苦笑)。そういう意味では、各チームが強くても弱くても応援してもらえるようなプロスポーツ団体になっていければと僕自身は思います。

【SAHが取材したカープ球団新人職員の取材記事はこちら】

岡崎 天谷さん、森﨑さんのお話しを聞いていて感じるのは、我々ドラゴンフライズについてはまだまだ歴史の浅いクラブです。地域の方、ファンの方がいかにクラブを〝自分ごと〟にしてくれるか。それが重要だと思います。そういう意味では、勝っても負けても応援してくれるような雰囲気をつくっていきたいと考えています。

坂上 “自分ごと”にするには地域密着の活動が大事な要素になりますね。

座談会の発起人である『スポーツアクティベーションひろしま』代表の神田康範氏(右)と、司会進行役の坂上俊次アナウンサー(左)

神田 私は熊本で九州独立プロ野球リーグのチーム(火の国サラマンダーズ)の経営もしていますが、勝ち負けだけを求めるのはいけないと思っています。初年度からまさに地域密着で、知り合いのお兄さんがプレーしているくらい、常に身近にいる存在でありたいと考えています。もちろん勝利は追求しますが、負けても来ていただけるというのは、地域から愛される存在になっていることだと思います。

森﨑 身近に感じてもらえるという意味では、選手もどんどん地域貢献することで、「この選手を応援したいな」と思ってもらえるはずだと思います。もちろんチーム自体を応援していただく事は良いことですが、入り口として、地域で触れ合った個別の選手からの応援で入ってもらうのも良いと思います。