開幕から無敗を維持していたサンフレッチェ広島だが、湘南ベルマーレ戦以降は一転して白星に見放されている。ここでは過酷な連戦の真っただ中にいるサンフレッチェの戦いぶりを、OBの吉田安孝氏が独自目線で分析する。

球際の部分で後手に回った湘南戦。ここからサンフレッチェは白星に見放されている。

 代表ウィークを終え、サンフレッチェが4月3日から中2日、中3日を挟んでの17連戦に突入しています。5月30日まで続く、この超過密スケジュールが今シーズンの行方を左右するのは確実です。これまで何度も「序盤戦が大事」と言い続けてきましたが、東京五輪による中断期間までに、ある程度勝ち点を積み重ねれば、後半戦の戦いがグッとラクになってきます。

 その意味では17連戦に入るまでを無敗(3勝3分)で乗り切ったのは非常に大きいでしょう。良い滑り出しを見せたからこそG大阪戦(△0–0)から、また新たなフォーメーション(『4–3–3』)にチャレンジすることもできました。『4–2–3–1』よりもさらに前のめりの戦術になりますが、失点を恐れずリスクを背負ってでも攻める姿勢を見せるのは良いと思いますね。

 勝ち点を全く取れていない状況であれば、よりアグレッシブなフォーメーションに変更することもなかったでしょうし、さまざまなことにチャレンジする流れにはならなかったと思います。第9節の湘南戦(●0–1)は敗れてしまいましたが、そこまでは十分、合格点を出せる序盤戦でした。