1万8713人の大観衆の前で、サンフレイレブンが躍動。FWのペレイラ選手も攻めだけではなく、献身的に守備も行った。

 サンフレッチェ広島が、これ以上ない形で2020年シーズンのスタートを切った。J1リーグ開幕に先立ち行われた今季初の公式戦となるルヴァン杯初戦(対横浜FC戦、○2-0)を勝利で飾ると、その勢いのままリーグ初戦も鹿島に快勝(○3-0)。持ち味の堅守はそのままに、攻撃面でも城福浩監督がキャンプから取り組んできたテーマが面白いようにピッチ上で体現された。

 これまで積み上げてきた堅守速攻に加え、今季から推し進めているのが『ショートカウンター』と『ミドルシュート』の意識を高めること。中でもショートカウンターの意識はキャンプの段階から選手間に浸透し、この2戦の中でも随所で散見された。

 ルヴァン杯の2点目は森島司が高い位置でプレッシャーをかけ、相手ディフェンダーからボールを奪うことで生まれた。鹿島戦の1点目、3点目も、それぞれレアンドロ・ペレイラ、東俊希のボール奪取からの速攻で生み出されたものだ。

 それ以外の得点もサンフレッチェの最大のストロングポイントである左サイドからの崩し、そして最終ラインからのビルドアップでもたらされたもの。これまで積み上げてきたものと、新たに取り組み始めたものが絶妙にリンクすることで大事な初戦を複数得点、そして連続無失点で乗り切ってみせた。

「3点目は森島がシュートを打たなくても、逆サイドにちゃんと2人が走り込んでいました。2点目もボランチの川辺が、あれだけ前線まで走り込んでいたと。守備の面でも相手がバイタルエリアに入ったときも、しっかり選手が戻るべき位置に戻っていました。本当の意味で崩されたというシーンは、ほとんどなかったと思います」

 公式戦2試合を終え城福監督が口にしたのは、チームに対する想像以上の手応え。まだカップ戦、リーグ戦ともに始まったばかりではあるが、今季のサンフレッチェは強く、そして面白い。

※新型コロナウイルス対策の一環として、Jリーグが昨日、2月26日〜3月15日に開催予定の『2020明治安田生命J1リーグ』、『2020JリーグYBCルヴァンカップ』の全試合の延期を決定。詳細はサンフレッチェ広島公式ホームページ等で確認を。