新型コロナウイルス感染拡大の影響で昨季は中止となった交流戦が、5月25日から開幕する。カープにとっては鬼門となるだけに、開幕までに一つでも多く借金を返済しておきたいところだ。ここでは多くの苦汁を味わった交流戦の歴史を4回にわたって振り返る。

2008年に2番打者として交流戦2位の打率(.395)をマークした東出輝裕・現二軍打撃コーチ。

◆2008年・交流戦6位(24試合13勝11敗)【投打が噛み合い初の貯金に成功】

 4年連続で初戦を落としたものの、2008年の交流戦は記録の面で見るとカープに関する明るいニュースが多かった。

 圧巻だったのがポスト黒田博樹を期待されて入団したルイスの快投だ。期間内だけで5勝をマークし、岩隈久志(楽天)と共に交流戦最多勝投手となり、抑えでは永川勝浩が岩瀬仁紀(中日)と並んで10セーブを記録。こちらも交流戦最多セーブとなった(球団3人目の100セーブにも到達)。

 6月18日の日本ハム戦では、当時プロ2年目の前田健太がプロ初勝利を記録。打者では東出輝裕、栗原健太ら主力が打率で上位にランクインし、阪神へFA移籍した新井貴浩の穴を埋めてみせた。ホームを5割、ビジターは12球団1位の7勝5敗という成績で交流戦を乗り切ったカープが、鬼門の交流戦で初めて貯金の上積みに成功した。

◆2009年・交流戦3位(24試合14勝9敗1分)【セが奮起。カープも3位で快走】

 オリックスとの開幕戦で、大竹寛が球団新の31回連続無失点を記録した。その後も好調をキープして最終的に5月31日の楽天戦の6回途中までセ・リーグ歴代6位となる43イニング連続無失点を記録。守護神の永川勝浩が西武戦で球団新の139セーブをマークするなど投手陣の安定感が際立った。

 6月11日のロッテ戦でNPB史上最多の1イニング15失点を喫するなど記録的な大敗(2対23)も見られたが、ホームで勝負強さを発揮して9勝3敗と大きく勝ち越し。トータルで14勝9敗1分、過去最高順位の3位でフィニッシュした。70勝67敗7分でセ・リーグが唯一、勝ち越した交流戦としても知られている。