東京五輪で金メダルを目指す侍ジャパンのメンバーに、カープから12球団最多となる4選手が選出された。選ばれたのは森下暢仁、栗林良吏、菊池涼介、鈴木誠也の4選手。悲願の金メダル獲得に向けて、4選手にかかる期待は大きい。

 この連載では、侍ジャパンの4番として期待がかかる鈴木誠也が、過去に本誌の独占インタビューで語った思いを取り上げ、プロ入りからここまでの軌跡を振り返る。

 まずは2013年、プロ1年目の春に行ったインタビューから。かつて前田智徳が背負った「51」を託されるなど、球団の期待も大きかった鈴木が、どんな思いで野球と向き合っていたかを鈴木の言葉をもとに紹介する。
(広島アスリートマガジン2020特別増刊号「鈴木誠也 全インタビュー集」に掲載)

2012年秋、ドラフト2位でカープに指名され、内野手として入団した鈴木誠也選手。

◆プロ生活は充実のスタート

─プロに入って3カ月経ちましたが、体力的にはいかがですか?

「体力的な面は問題はありませんが、一軍の投手が投げる球は(高校生とは)全然違うなということを実感しています」

─日南キャンプで初めてプロの練習を経験されました。

「大きなケガもなく、どこも痛い部分がなかったのは良かったです。覚えることも多かったので、あっという間に過ぎたという印象です」

─キャンプの2日目には半日ですが一軍に呼ばれました。

「一軍は緊張感が全く違うなと思いました。練習に参加させていただいて、また一軍で練習したいと強く思いました」

─プロに入ってからショートの練習を続けていますが、ショートというポジションに関してどんな印象がありますか?

「自分の中でカッコイイという思いがありますし、やりがいはあります。でも本格的に始めると難しいですね(苦笑)」

─どんな部分に難しさを感じますか?

「ゼロの状態からなので、いろいろな判断が要求されますし頭も疲れますね」

─3月6日の社会人戦では第一打席で二塁打を放ち、7日のソフトバンク戦(教育リーグ)でも安打を記録するなど、幸先が良いスタートですね。

「いや、たまたまです(苦笑)。今は考えて打撃をしても打てないと思っていますし、内田順三監督からも『どんどん振っていけ』と言われています。振らないで三振するよりは振った方がいいですし、結果が出たことはうれしいですね」

─毎日が充実している感じなのでは?

「そうですね。試合に出ることが楽しいので、その中で結果も残せたら良いという気持ちでやっています」

─話題は変わりますが、広島という土地には慣れましたか?

「僕の地元は東京でも下町っぽいところだったので、似てる雰囲気があって違和感はないです。方言も好きなので、広島弁を聞いているのは楽しいですね(笑)」

◆2013年から2020年に行った鈴木誠也のインタビューは、広島アスリートマガジン2020特別増刊号「鈴木誠也 全インタビュー集」で公開中。