『10』に代表されるように、サッカー界においてもたびたび話題として取り上げられるのが、各選手の背負う背番号だ。ここではサンフレッチェ広島の選手に特化し、時代を彩った名選手の足跡を背番号と共に振り返る。

2009年〜2011年にサンフレッチェ広島に在籍した李忠成選手。2011年にはリーグ3位タイの15得点を挙げ優秀選手賞を受賞した。

 サッカーの背番号9といえばセンターフォワード、つまりストライカーの番号だ。ただサンフレッチェの9番の歴史を振り返ると、つける選手が頻繁に変わっている。いずれ今連載で取り上げるが、固定背番号制が始まった1997年から2000年代前半まで得点源として活躍した久保竜彦が10番、その後に2005年から2016年までエースに君臨し、J1・J2通算220得点を記録した偉大なストライカー、佐藤寿人が11番をつけていた影響だろう。

 前述の1997年、最初に背番号9をつけたのはオーストラリア国籍のFWアーノルド。連載第3回で紹介した同胞のDFポポヴィッチとともに加入した。来日当時は33歳、キャリアの晩年で、1年目はリーグ戦で6得点を記録したが、2年目の途中で退団した。