接戦となった7月4日の阪神戦(マツダスタジアム)。5回に坂倉将吾のタイムリーで逆転すると、フランスア、コルニエル、栗林良吏の投手リレーが見事に決まり、首位・阪神に逆転勝利を飾った。
先発の森下暢仁が粘りの投球で6回を3失点でしのぐと、7回にはフランスアが登板。昨季まで守護神を務めるも、今季の開幕前に右膝手術で離脱。出遅れた左腕だったが、6月29日の巨人戦(東京ドーム)で今季初登板を果たすと、一軍復帰3試合目で勝ち試合の継投に抜擢された。
先頭の2番・糸原健斗は内野ゴロ。サンズに安打を許すも、マルテを力強い直球で外野フライに。最後は佐藤輝明を150kmを超える直球で空振り三振に打ち取り、阪神のクリーンアップを封じ込めた。
6回裏、カープ打線が、阪神の馬場皐輔にわずか7球でテンポよく無失点に抑えられ、相手の中軸を迎える流れだったが、フランスアが力で阪神打線をねじ伏せたことで、流れは変わらず。8回は勝利の方程式に定着してきたコルニエル、9回は守護神・栗林良吏が、ランナーを出すも無失点で切り抜け、1点リードを守り切った。
「グラウンドに入るとファンのみなさんが大きな拍手を送ってくださり、その拍手を聞くと、不思議と緊張はなくなり、“よし、やってやろう”と前向きな気持ちになることができています。そういう意味でも、1人の力ではなく、たくさんの人に支えられてグラウンドに立たせてもらっているんだなと感じています」
栗林がそう語るように、連日マツダスタジアムでは、登板の時はもちろん、ピンチを迎えるたびにスタンドから温かい拍手が送られている。そんなチームとファンの一体感を感じる昨日の勝利。勝利の方程式を担うであろう3投手が、明日以降も数多く歓喜の瞬間を届けてくれることを期待したい。