その日は気持ちよく晴れていた。

 2月23日、日曜日。横川駅、久しぶりに乗るエディオンスタジアム行きのバスの前には長い行列ができていた。プロ野球より1カ月近く早いリーグ開幕、しかもホーム初戦。一週間前に行われたシーズン初戦、ルヴァン杯グループステージ第1節は横浜FC相手に2-0の勝利を収めていた。複数得点&シャットアウトという“完勝”と言える内容。昨年からの積み上げが奏功し、今年はいけるんじゃないだろうか? 膨らむ期待感の中で迎えた開幕戦の相手は常勝・鹿島アントラーズ。今年の実力がホンモノかどうか、測るのに格好の相手じゃないか!

 バスがスタジアムの駐車場に着くと、乗っていた人がドッと吐き出された。おろしたてなのか晴れ晴れとした顔で今年のユニホームを着ている人がいる。鹿島ユニの人もチラホラ見るが、一体どこから来たのだろう。まさか茨城から? いや、待ちに待った開幕。大枚叩いても足を運ぶ価値はあるのだろう。

 スタジアムまで続くスロープを一歩一歩踏みしめながら上っていく。背中に当たる日差しに春の訪れを感じる。目の前に伸びる屋根のアーチ、そこから聞こえるアナウンス、喧噪……「あー、これこれ。これだよな」といつもの景色にうれしくなる一方、坂の両脇には新品の幟とパネル。幟には『積攻』の文字が染め抜かれ、笑顔の選手のパネルが出迎えてくれる。『森島司 10』もイイけどやっぱ『川辺駿 8』はグッとくるなぁ!