◆日本史上最高額を記録!

 コロナ基金は7月で一旦終了しましたが、その時点で集まった寄付は7億円超、その後延長して12月まで実施し、最終的には8億円を超える寄付が集まりました。これは、なんと日本のクラウドファンディング史上最高金額なのだそうです。

 これは決してプロ野球の力だけではなく、様々な企業による数百万、数千万単位の寄付があったからこそですし、野球ファン以外の寄付者もたくさんいましたが、基金終了後にREADYFORの方から、選手会による協力表明の直後に寄付件数がアップしたことなど、選手たちの影響力が大きかったことをお聞きしました。

 この寄付の成果を選手会に伝えたところ、アクションを起こした選手たち自身も驚いていました。みんな口を揃えて「プロ野球選手の影響力って本当にすごいんですね」と言っていて、どの選手の中にも改めてプロの使命感が芽生えているようでした。

 この流れを受けて、選手会では昨年12月に「プレーヤーズ・プラス」という、選手の社会貢献を発信するメディアをオープン。選手の思いをもっとファンに知ってもらうため、私も本職のライターとして、選手たちに日々インタビューをしています。

 日常的に支援活動を行っている選手たちには、その経緯についてよく聞くのですが、みんな口にするのが「ずっと社会貢献活動をやりたかったけど誰に相談したらいいかわからなかった」ということ。行動に起こしたくても支援先の選び方や寄付の方法がわからないという選手は、まだたくさんいるのではと感じました。ベースボール・レジェンド・ファウンデーション(BLF)ではその思いを形にできるよう、選手が支援するにふさわしい信頼できる団体を厳選し、選手会事務局と協力して選手たちに共有する仕組みをまさに今つくっているところです。

 選手会が現役選手を対象に実施したアンケートによると、約8割の選手が社会貢献活動に興味があると回答しているそうです。多くの選手が自分の立場を活用して世の中に還元したいと思っているということです。もちろんカープにもアクションを起こしてくれた選手がいます。BLFでは以前チャリティーオークションを通じて熊本地震の復興支援を行いましたが、その際には菊池涼介選手や大瀬良大地選手らが率先して協力してくれました。選手たちが社会貢献活動に参加しやすい環境を整備して、選手たちの思いが社会にもっと届くよう後押しすること。それがBLFの大切な役割だと思っています。

 

岡田真理(おかだ・まり)
フリーライターとしてプロ野球選手のインタビューやスポーツコラムを執筆する傍ら、BLF代表として選手参加のチャリティーイベントやひとり親家庭の球児支援を実施。出身県の静岡ではプロ野球選手の県人会を立ち上げ、野球を通じた地域振興を行う。著書に「野球で、人を救おう」(角川書店)。