4番として初の開幕スタメンも直後に一軍登録抹消

 

「『自分のプレーが今はできないんじゃないか』という不安の中からスタートして、『とにかく同じケガはしたくない』とか、そのケガをかばって『他の箇所を痛めたくない』という思いが強すぎて、多少なりとも序盤の試合はプレーに影響が出てしまっていたのかなと思います」

 苦しいリハビリを乗り越え、翌2018年は4番として初の開幕スタメン出場を果たした。主軸の復帰にファンは安堵したが、鈴木自身は不安を抱えた中でのレギュラーシーズン突入だった。しかし、下半身の張りにより4月4日から2週間ほど一軍登録を抹消。復帰後もしばらくは一抹の不安を抱えたままでのプレーを余儀なくされた。

「正直な気持ちを言えば、しんどかったですね。『ケガなんてもういいわ』って(苦笑)」

 拭いきれない故障への不安、そして自身の打撃にも違和感を抱えながらも復帰後は4番を張り続けた。そんな万全とは程遠い状況でも、両足の幅を狭めるなど打撃フォームを日々模索。状態を落とすことなく4番としての仕事を全うしていた。

「全体的に不安はありましたね。正直、違和感もありましたし、やっぱり『もうケガはしたくない』という思いが強かったので、どうしても最初は動きをセーブしてしまっていた部分はあったかもしれません。ただ、試合に出る以上はそれを言い訳にしたくはありませんでした。4番は決して楽ではないですし、楽しいポジションではありません。でも、そういうもので悩めるうちはありがたいことだと思ってプレーさせてもらっています」

 同時期に不動の3番であった丸佳浩(現巨人)の故障離脱も見られたが、野間峻祥の台頭もありチームの勢いは持続した。6月に入ると鈴木の打撃成績も急上昇。交流戦は10位に沈んだものの、貯金を11まで積み上げ前半戦を首位で乗り切った。