2018年シーズンに初めて本塁打が大台の30本に到達。こだわりの打点も3連連続で90を超えた。右足首の故障の影響で盗塁は一桁台に沈んだが、打率.320、出塁率.438など主要打撃成績で軒並み高い数字を弾き出した。年々、すごみを増す鈴木誠也に対し、球団は空位となっていた背番号1を用意。プロ7年目、24歳にして名実ともにカープの主役となった。2019年シーズン開幕直前のインタビューを元に、当時の鈴木の胸の内を紐解いていく。

初の打撃タイトルを獲得した2019年。背番号に恥じぬ成績を残してみせた。

 2019年シーズンを迎えるにあたり、鈴木を取り巻く状況が一変した。精神的支柱だった新井貴浩が現役を引退し、強力クリーンアップを形成した丸佳浩が巨人に移籍。リーグ4連覇を目指す一方で、少なからず打撃力の低下を危惧する声も囁かれ始めていた。

 ただ、そんな状況下でも鈴木は己のスキルアップに没頭した。キャンプ前には2年ぶりに内川聖一(ソフトバンク)らと自主トレを行い、早い段階から強度の高いメニューを消化。球界を代表する選手に成長してもなお、練習に対する意識の高さは入団当初とまったく変わっていない。

「まず自分の体がちゃんと整っていないと良いプレーができないと思っています。トレーニングを行う前に食事を変えないと体の中身自体も変わってこないですし、それが体にも出てこないので、摂るものをある程度気をつけています。そうやって食事にも気をつけた上でトレーニングをしっかりして、土台をつくって練習をやらないと技術もついてこないと思っています。シーズンオフは期間が短いので、トレーニングをやれる時間も少なくなってきます。なので、オフだけじゃなくて、シーズン中もしっかりやっていかなければいけないと思っています。特に昨年12月は、ほぼバットを振らないくらいでトレーニングに励んでいました」

 春季キャンプに向けて着々と準備が整うなか、唯一の懸念材料とされたのが2018年11月に行った右足首のボルト除去手術の影響だ。術後の経過は良好とはいえキャンプインの段階では、まだ走塁面での不安を抱えたままだった。実戦形式での走塁練習を再開したのは、沖縄二次キャンプ初日の2月15日から。はやる気持ちを抑え、患部に細心の注意を払いながら徐々に練習の強度を上げていった。