求めるものはチームの勝利だけ。「自己満足だけはしたくない」

「もちろん自分の成績は良いに越したことはないんですけど、それよりも勝たないとそれも評価されないですし、勝たないと4番打者としても評価されないと思います。なので勝てれば良いですね。自己満足だけはしたくないですし、みんなで勝って喜んでいる方が一番ですし、それが野球の楽しさだと思っています。当然優勝した上でタイトルが獲れれば一番良いですけど、初めからタイトルを狙って自分のことばかり考えるというのは僕の野球じゃないと思うので、とにかくケガがなく勝てれば良いと思います」

 シーズン開幕後は新井、丸の不在に悩まされることもあったが、つなぐ野球を思い出すことで本来の姿を取り戻した。たとえ打てなくても四球を選べば出塁できる。「自分が決めなければという変な責任感」を捨てることで、崩れかけていたバッティングの調子を取り戻していった。

 その結果、チームとしての成績は残せなかったが、個人としては初の打撃タイトル(首位打者、最高出塁率)を獲得。試行錯誤を繰り返す中で、いつしか鈴木はカープの4番から日本の4番へと成長を遂げていた。

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