プロ1年目、開幕一軍入りを果たすと、貴重な左腕リリーバーとして活躍。試合を重ねるごとに調子をあげ、7月の月間防御率は0.00、8月は1.59。力強さを増したストレート、キレのある変化球を武器に存在感を高めている。心は熱く頭は冷静に、ポーカーフェイスで投げ抜く左腕の声を届ける。
※取材は9月上旬。数字は全て9月14日現在。

即戦力の期待通り、1年目から一軍ブルペンに定着している森浦大輔投手。

◆プロの怖さを知った6月の巨人戦

─春季キャンプで首脳陣の注目を集めると、オープン戦は4試合に登板し防御率0.00。順調に結果を残し、プロ1年目から開幕一軍入りを果たしました。一軍ではリリーフとして、ここまで37試合に登板していますが、一番印象に残っている登板を教えてください。

「プロ初登板となった3月27日の中日戦(マツダスタジアム)です。2死を奪うも、そこから3者連続四死球で満塁にしてしまい……。チームが3点リードしていただけにとにかく必死で投げました。なんとか無失点に抑えることができホッとしました。初登板だったこともあり、これまで投げた試合で一番緊張しましたね」

─逆にプロの怖さを知ったのは?

「6月29日の巨人戦(東京ドーム)で岡本(和真)選手に打たれた本塁打です。少しコースは高くはなりましたが、自分の中では、低めにしっかり投げることができた球をスタンドまで運ばれてしまったので、あの対戦は印象に残っています」

─前半戦、森浦投手が許した本塁打はこの岡本選手の一本のみです。

「リリーフで投げる以上、試合終盤の本塁打は試合の流れを左右することになるので避けないといけません。ただ、振り返ると、この試合も2死から連続で四死球を出し、丸(佳浩)選手の安打と岡本選手の本塁打で逆転を許してしまいました。本塁打同様、四球も試合の流れを変えてしまう可能性があるだけに、無駄な四球は減らしていかないといけません」

─リリーフとしてマウンドに上がる際、なにを一番意識していますか?

「無失点に抑えることです。ピンチであろうがなかろうが、目の前の打者との勝負に集中し、どうすれば抑えることができるかを冷静に考えるようにしています。また、インコース、アウトコースにしっかりと球を投げ分けることができれば、打ち取れる確率も上がると思ので、その制球の部分は強く意識しています」

─右打者の被打率が.172と低いです。攻め方で意識していることは?

「インコースの使い方です。そこを意識させながら、チェンジアップやスライダーで効果的に攻めることができているのが結果につながっているのかなと思います。実は右打者のインコースは得意にしているコースなんです」(続く)

◆プロフィール
森浦大輔 13
■もりうら・だいすけ ■1998年6月15日生(23歳)■175cm/72kg
■左投左打/投手 ■和歌山県出身 ■天理高-天理大ー広島(2020年ドラフト2位)