カープOBの笘篠賢治がカープ野手陣について語るコラム。今回は、CS進出の可能性が見えてきたチームの攻撃面について取り上げる。※取材日は10月中旬。

カープ伝統の機動力野球を取り戻せるかも、CS進出、その先に向けた戦いのカギとなる。

◆ヤクルトでの現役時代にこなしていた三遊間に打つ練習

 打撃陣に目を向けると、これまで再三、このコラムで言ってきたヒットエンドランを有効的に使うようになってきました。

 常に一、三塁の状況をつくれるように心がける。これができるようになると得点力は一気に上がりますよね。そういう野球をしていくのがカープだと思うので、その意識を持ちながら戦ってもらいたいと思います。

 打つときも引っ張るだけではなく、ショートが二塁のカバーリングに入って空いたスペースを狙っていくと、レフト方向でも一、三塁の状況をつくることができます。

 現役時代、ヤクルトに在籍していた頃、エンドランは二塁のカバーに入る方を打てと言われていたので、三遊間に打つ練習もたくさんやっていました。

 セカンドとショートのどちらがカバーに入るかわからない距離で守っているときは、一塁走者が偽装スタートをして、双方の動きを打者やベンチに伝え、そこで監督がエンドランができそうだと思ったときはサインを出す。ただ、ボールに当てて転がすだけであればバントでいいので、いかに空いているところを狙って打てるかが大事になってきます。そういった細かい野球を、来季に向けてという意味でも、もっと磨き上げてもらいたいですね。