サンフレッチェ広島OB・吉田安孝氏がチームに対する愛情と情熱をぶつける全力コラム。現在、11勝12分10敗でリーグ10位のサンフレッチェ広島。10月下旬には城福浩監督が退任し、今季の残り試合は沢田謙太郎ヘッドコーチが指揮を執ることが決定した。今回のコラムでは、新チームのカギを握る成長著しい若手選手について取り上げる。

サンフレッチェの新たなスピードスターとして躍動を続ける藤井智也選手。

◆若手の成長が見られる今シーズン。広島の未来は明るい

 若手選手が目覚ましい活躍を見せてくれています。東俊希はさまざまなポジションをこなしながら、質の高いボールを提供。実際、東が出したクロスやパスが、得点の起点となっているシーンが増えています。

 東は一見すると細身ですが、フィジカルもヘディングも強い。競り合いに勝ってマイボールにするという、目立たない部分での仕事もやってくれています。試合を重ねるごとに成長していると思いますね。

 続いて藤井智也。あっという間にサンフレッチェに欠かせない選手になりました。札幌戦でドウグラスが決めたPKは、藤井の突破から生まれたものです。藤井のスピードは本当に魅力的。名古屋戦でも相手に相当警戒されていましたが、何度も突破していました。クロスの精度も上がっていますし、柏戦ではゴールポストに当たる強烈なシュートもありました。今後も持ち味をどんどん出してアピールしてもらいたいですね。

 続いて、森島司の話を。9月にケガから復帰しましたが、とても良いプレーをしていると思います。彼の魅力は独特のリズム感。相手DFを引き寄せた後にクルッと回ってかわしたり、パスやワンツーではがすなど、プレーに余裕がありますし、足元も上手い。そして森島はサンフレッチェの10番です。10番の本来の仕事といえば、中盤でゲームをつくり、ゴール前では得点を決めること。森島は攻撃のセンスがあるので、ドリブルで仕掛けるシーンを増やして、もっと得点に絡んでもらいたいですね。ゴールが増えてくると日本代表入りも見えてくるのではないかと思うほど、持っているポテンシャルは非常に高いです。