広島県の北部に位置する自然豊かな三次市で、「第7回女子硬式野球西日本大会」(11月13日〜14日)が開催され、各地から集結した女子野球選手たちが熱戦を繰り広げた。
2日間にわたって行われた大会には、北は福井県、南は鹿児島県、東は愛知県まで、高校、大学・専門学校、一般クラブチームの合わせて27チーム、約600名の選手がプレー。地元広島県からは佐伯高校、山陽高校、MSH医療専門学校の3チームが参加した。
大会初日は1グループ3チームの9グループに分かれ、三次市内の5球場で予選リーグが行われた。予選リーグで1位から3位までが決定すると、翌日は予選リーグで1位チームグループ、2位チームグループ、3位チームグループにそれぞれ分かれた順位別トーナメントを行った。
地元の広島県勢3チームはリーグ戦で苦戦し、いずれも3位に終わり、3位チームグループトーナメントで熱戦を繰り広げたが、同トーナメントでは、福知山成美高校(京都)、蒼開高等学校(兵庫)の両校が総合3位となった。また2位チームトーナメントでは環太平洋大学が岡山学芸館高校に競り勝って総合2位を決めた。
総合優勝をかけた1位トーナメントでは、昨年優勝の東近江バイオレッツ(滋賀)、第3回で優勝経験のある京都両洋高等学校(京都)の関西勢での決勝となった。試合は序盤からこう着状態が続いたが、両チーム無得点で迎えた4回に均衡が破れた。
東近江バイオレッツは無死二塁とチャンスを迎えると、4番・中嶋優菜選手がタイムリー三塁打を放ち待望の先制点。「チームバッティングを心がけて、逆方向に飛ばそうと思って打席に入ったら、うまく抜けてくれました」。この回に2点を奪い試合の流れをつかんだ。その後も終盤に2点を追加し、4対0で勝利。見事に大会初の連覇を果たした。
大会MVPに輝いたのは東近江バイオレッツの4番で先制タイムリーを放った中嶋優菜選手。「退団選手やケガをしている選手もいて、最後に投げた辻投手は昨年の決勝戦の負け投手(昨年MSH医療専門学校所属)だったので、絶対優勝させてあげようという気持ちで臨みました。高校生に負けるわけにはいかないので」と、クラブチームとしての意地を見せた勝利だった。
(今大会が行われた広島県三次市は女子野球タウンに認定されたことを受けて)「東近江市が女子野球タウンになったので、東近江市から盛り上げていけたらいいなと思っています。(西日本大会は)昨年まではここまで大きな大会ではなかったですし、やっぱり女子野球タウンになることで全然規模が違っていて、すごいことだなと思います」と、大会を通じてホームタウンの盛り上がりに期待を寄せた。
昨年までとは違った演出で会場は盛り上がり、女子選手たちは各会場ではつらつとしたプレーを披露し、東近江バイオレッツの優勝で幕を閉じた。