2012年から2017年に広島でプレーし、黄金期を築いた攻撃的DF・塩谷司。 UAEから4年ぶりに、一回り大きくなって帰ってきてくれた。「日本に帰って来るなら広島だと心に決めていた」と語った塩谷。2022年、必ず広島で再爆発してくれるはずだ(全3回のうち3回目・取材は12月中旬)

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新たなシーズンに向け始動したサンフレッチェ広島。塩谷司にかかる期待も大きい。

◆地元に子ども向けスクール発足。サッカーの楽しさを伝える取り組み

―サンフレッチェの若手選手の中で注目している選手はいますか?

「鮎川峻ですね。身長は高くないですが、二十歳という若さで落ち着いたプレーができるしゴールへの意識も高い。最後、ゴールを決め切るところが課題ではありますが、将来への可能性を秘めていると思います。広島には、(佐藤)寿人さんという偉大なストライカーがいましたが、そこに負けないような、広島を代表するストライカーになってもらいたいですね」

―11番がずっと空いているので、背番号を引き継げるような選手になってもらいたいです。

「確かにそうですね。僕が付ければ良かったかな(笑)」

―塩谷選手であればサポーターの皆さんも認めてくれそうな気もします(笑)。

「いえいえ冗談です、恐れ多いです(笑)。とてもじゃないですが、11番と7番と8番は付けられません(笑)」

―2019年に地元・徳島に『塩谷サッカースクール』を立ち上げられました。これはどういった思いからですか?

「徳島は都会ではないので、子どもたちがサッカーをする環境がそこまで整っていないんです。なので、そういった面を改善して子どもたちがサッカーを楽しめるようにしたいと思いました。この夏にやっとグランドを一つつくることができ、一歩前進というところです。最終的には人工芝ではなく天然芝のグラウンドをつくりたいと思っていて、試合のできる小さいスタジアムもつくれたらいいなと思っています」

―現役中にそういった取り組みをする選手はなかなかいないように思います。

「ずっとやりたいと思っていたんですけど、現役中は本業に集中しないといけないので、任せられる人がいたらやりたいと思っていました。今お願いしている人とは、1、2年ぐらいかけて打ち合わせを重ね、現役中に感じたことや叶えたいこと、子どもたちにはこういう風にサッカーに取り組んでほしいということを全部伝えました。立ち上げて3年目になりますが、スクール生も増えてきて今は80人以上です。みんながサッカー選手になりたいと思っているわけではないので、サッカーが楽しいと思ってくれる子が一人でも増えたらいいなと思っています」

―2024年に新スタジアムが完成予定です。広島に戻って来られたのは、新スタジアムに対する思いもありましたか?

「新スタジアムができる時には広島にいれたらいいなとは思っていました。ずっとサッカー専用スタジアムが欲しいと言い続けてきて、やっと形になるわけですから。コロナ禍で改めて感じたのですが、サポーターの皆さんの声援はすごく力になります。サッカー専用スタジアムだと観客席が近いので、一つひとつのプレーに対するサポーターの反応や表情を見ることができ、よりプレーに力が入ると思います」

―来季への意気込みをお願いします。

「新しい監督のもとでキャンプからしっかりと練習に取り組み、チーム内の全員で競争をして、〝戦える強いチーム〟をつくりたいと思います。そして、観て楽しいと思ってもらえるようなサッカーをしたいです。スポーツを通して広島を盛り上げたいと思いますので、来シーズンも応援よろしくお願いします!」

《プロフィール》
塩谷 司(しおたに つかさ)
1988年12月5日生 徳島県出身/DF

■ クラブキャリア
2011 水戸ホーリーホック 3得点
2012 水戸ホーリーホック 2得点
2013 サンフレッチェ広島 0得点
2014 サンフレッチェ広島 6得点
2015 サンフレッチェ広島 3得点
2016 サンフレッチェ広島 5得点
2017 サンフレッチェ広島 0得点
2021 サンフレッチェ広島 1得点
※記録はリーグ戦のみ。
※2017年〜2021年はアル・アインFCに所属。