4年ぶりのリーグ優勝に向けて、春季キャンプに取り組むカープ。OBの笘篠賢治氏に、キャンプでの練習試合を見て感じた、守備の連携面について聞いた。

一体感のある守備がチーム躍進には欠かせない。

◆シーズンを戦う上で必要なアプローチ

 2月22日のDeNAとの練習試合を見ていて気になったプレーがありました。1回裏の守備での出来事です。桑原将志、大田泰示に連続ヒットを許し、無死一、三塁のピンチを迎えると、続く梶原昂希の投ゴロで先制を許してしまいました。

 守備シフトは併殺体制を敷いていたと思うのですが、打球を捕球した投手の森翔平が三塁走者を目で牽制して、二塁を封殺した間に三塁走者が本塁に突っ込んできました。守備陣は、1-6-2の併殺を狙うもセーフとなり、結果的に1点を失った上で、1死一塁となりました。

 あのようなシチュエーションだと、コリジョンルールがあり捕手は追いタッチになってしまうので、大体のケースで三塁走者を本塁に突っ込ませると思います。終盤でどうしても1点を許すことができない場面であれば、中間守備を敷いていたかもしれませんが、併殺狙いだったのであれば、1点は仕方がないと割り切り、1-6-3で併殺をとってもよかったのではないかと思いましたね。

 その直後、ソトが併殺打を打ってくれて、追加点はとられなかったのですが、強力クリーンアップを誇るDeNA打線なので、走者が残ったことでビッグイニングになっていた可能性もありました。

 上手くいけばナイスプレーになっていたかもしれませんが、ベンチの思惑としては、1点は仕方ないという認識だったと思います。シーズンを戦ううえでは、そこの“割り切り”は、今後絶対に必要になってくるでしょうね。