4番を打っていた鈴木誠也が抜けたカープ打線。得点力不足解消へ、どのような攻撃を見せてくれるのか。新生カープ打線のキーマンを探ってみた。

昨季113試合に出場し、一軍ショートのレギュラーの座をつかみとった小園(左)。勝負強い打撃と共に、守備の面でも期待がかかる。4年目の今季は全試合出場を目指す。

◆鈴木誠也に代わるポイントゲッターが機能するか

 昨季、12球団トップのチーム打率(.264)を誇りながら、打線のつながりに欠ける場面が目立った攻撃陣。その核となる主砲の鈴木誠也が抜けた後釜にと期待された新外国人選手のマクブルームは来日遅れと、開幕前から出遅れた感もあるが、さて実状はどうか。

 全体を見渡せば未知数な部分が多い。佐々岡監督は「二遊間(菊池涼介、小園海斗)と會澤以外は競争」と明言しているものの、オープン戦序盤を見る限り、レギュラー3人の収まりどころもよく見えてこなかった。唯一イメージできたのは、東出輝裕一軍野手総合コーチが「走者を返す能力が高く、三振しない(※昨季57三振は規定打席到達者で4番目の少なさ)」といった理由で主に5番に起用された小園くらいだ。

 昨季終盤に1番に座り、次代のトップバッターの気配濃厚だった宇草孔基がハマれば打線も活発化するのではと思われたがオープン戦半ばで二軍降格。代わりに大盛穂が起用されるケースが増えたが「1番・中堅」候補はパンチ力とミート力+走力を備えたこの二人がしっくりきそうだ。とはいえ、いずれもシーズンを通した活躍は“未体験ゾーン”だけに調子の波も予想される。そのあたりを踏まえて首脳陣がどう腹をくくるかで「今季の1番」の位置づけは決まってきそうだ。

 2番には菊池がベストか。中堅から右方向への打撃は天下一品。NPBの通算犠打数で8位タイ(296)を誇るようにバント技術も天下一品とくれば、攻撃陣の生命線となる〝つなぎ役〟には菊池がふさわしい。

 中軸は、前述の通り小園が絡んできそうだが、鈴木に変わるポイントゲッターとして西川龍馬と坂倉将吾の二人が機能するかもポイントとなりそうだ。7・8番は中村健人と末包昇大のルーキーコンビに加え、近未来の4番候補筆頭格の林晃汰、中村奨成、野手キャプテンの野間峻祥を相手投手と調子を見極めながら起用していくのが現実的だろう。

 ベテラン勢では昨季リーグ2位の代打安打(14安打)、代打打率同3位(.318)、得点圏打率.339を記録した松山竜平、さらには復活を期す田中広輔もいる。この二人がレギュラー奪還も視野に入るような活躍をすれば攻撃に厚みができる。いずれにしても、お家芸の機動力を含め、首脳陣の手腕も得点力不足解消のカギを握りそうだ。

文/小林雄二