開幕から好調をキープしているカープ。5月24日に幕を開ける交流戦がひとつの山場と言っていいだろう。

 これまでのカープは交流戦を苦手としている。昨季はセ・リーグが49勝48敗11分で12年ぶり2度目の勝ち越しに成功したが、広島は3勝12敗3分の最下位に沈み、セ・リーグでは一人負けを喫してしまった。

 改めてこれまでのカープの交流戦成績を振り返ってみたい。

指名打者制の試合がある交流戦。長野久義など、経験豊富なバットマンの活躍に期待がかかる(今季の春季キャンプで撮影)

◆通算6度の最下位に沈む結果に

2005年:11勝24敗1分(11位)
2006年:16勝20敗0分( 9位)
2007年:5勝18敗1分(12位)
2008年:13勝11敗0分( 6位)
2009年:14勝 9敗1分( 3位)
2010年:10勝12敗2分(12位)
2011年:6勝16敗2分(12位)
2012年:10勝11敗3分( 6位)
2013年:11勝13敗0分( 8位)
2014年:9勝15敗0分(12位)
2015年:9勝 9敗0分( 7位)
2016年:11勝 6敗1分( 3位)
2017年:12勝 6敗0分( 2位)
2018年:7勝11敗0分(10位)
2019年:5勝12敗1分(12位)
2020年:新型コロナウイルスの影響で交流戦中止
2021年:3勝12敗3分(12位)

 こうして並べると結果は一目瞭然だ。通算成績は152勝205敗15分で勝率.426は12球団中11位(ちなみに12位はDeNA)。ただし、リーグ優勝を果たした2016年と2017年は大きく勝ち越し、独走への土台を築いた。

 ちなみに相手別の勝敗は以下の通り。西武と楽天には比較的好相性だ。

◎対西武
32勝27敗3分
◎対楽天
31勝31敗0分
◎対ロッテ
24勝35敗3分
◎対オリックス
24勝37敗1分
◎対日本ハム
23勝37敗2分
◎対ソフトバンク
18勝38敗6分

◆交流戦のキーマンは…?

 これまでセ・リーグが交流戦で苦戦している理由として、指名打者制の有無があげられてきた。実は広島はズバリこれに当てはまっている。

【指名打者制なし】
81勝101敗4分 勝率.445

【指名打者制あり】
71勝104敗11分 勝率.384

 指名打者制の有無が逆転した2014年を除けば、パ本拠地での不慣れなビジターゲームということもあるが苦戦を余儀なくされている。

 今季はビジターのソフトバンク、楽天、西武戦が指名打者制採用になるが、松山竜平、長野久義のベテランバットマンが出遅れているのが少し気掛かりだ。ここは末包昇大、中村健人ら、新しい力の活躍に期待したい。 

 またスコアラー陣も昨年の結果は不本意だろう。2020年から庄司隼人氏がパ・リーグ担当の常設スコアラーに就任し、「交流戦対策」に力を入れている。毎年メンバーも調子も違うにも関わらず、球団によって交流戦の得手不得手がハッキリと分かれるのは、データの優先順位の置き方もあるだろう。

 ここまでの善戦は本物か。わずか18試合、されど18試合。交流戦での踏ん張りが今季のカープの行方を占いそうだ。