第95回記念選抜高等学校野球大会へ21世紀枠で出場を決めた栃木県立石橋高。夢の甲子園を前に準備を進めるのは球児だけではない。甲子園での応援に向けて、初の大舞台となる石橋高ダンス部の練習にも熱が入る。

センバツ出場を決めた石橋高ダンス部と、指導にあたった元GOLD LUSHのメンバーたち

 歓喜のニュースが舞い込んだのは今年1月下旬。文武両道の実践や、地域の小学生向けに肩や肘の検診を兼ねた、野球教室の開催などの活動が評価され、21世紀枠としての出場が決まった。「選んでいただいて本当にうれしく、ありがたく思っています」と福田博之監督らが喜びを噛み締める中、急ピッチで準備を始めたのは同校のダンス部だ。

 例年、ダンス部は夏の甲子園予選を最後に、野球応援の練習を行わないが「21世紀枠での出場は、野球部だけでの力ではなく、学校全体として評価された結果。公立高校ならではの応援、チアも甲子園にふさわしいものにしたい」と日頃の練習に加えて、強化練習を実施することを決めた。

 その中の一つとして外部講師を誘致する案が浮上した。白羽の矢が立ったのは、オフィシャルチアパフォーマンスチーム『GOLD LUSH』だ。

 石橋高の応援指導を担当している村田剛教諭が、別の高校で教鞭を取っていた際、生徒の中に現在、野球独立リーグ・ルートインBCリーグの栃木ゴールデンブレーブスで活躍する小倉由靖がいた。その縁から、栃木ゴールデンブレーブスのオフィシャルチアパフォーマンスチームである『GOLD LUSH』を、外部講師として招いたのだ。

 『GOLD LUSH』が所属するエイジェックは、13事業を展開する人材の総合プロデュース企業。2020年度の都市対抗野球出場の際にも、応援団としてチームを盛り上げたチアがダンス指導するとあって、石橋高ダンス部も心強いだろう。今回の指導に当たったGOLD LUSH元メンバーは「このような形で栃木県を盛り上げることができてうれしい。自分達も応援する力を信じて活動をしてきたので、石橋高のチアリーダーメンバーにも全力で応援を楽しんできてほしい」と背中を押す。

 3月10日の抽選会の結果、石橋高野球部の初戦は大会4日目の第1試合・能代松陽高との対戦が決まった。球児たちと共に、アルプススタンドから石橋高ダンス部が熱戦に華を添える。