早くも混戦の様相を見せている2023年J1リーグ。リーグ戦では5連勝、ルヴァン杯では1試合5得点など好調な戦いもありながら、5月には若きエースストライカーの負傷離脱という、衝撃的な1戦もあったサンフレッチェ広島。

 ここではサンフレッチェ広島OB・吉田安孝氏に、好調のキーマン、印象に残ったゴールを熱く語ってもらった。

(データは全て5月8日の取材時点)

桐蔭横浜大時代にはインカレベストDFを受賞。今季、出場機会を徐々に増やしている中野就斗。

試合最終盤まで目が離せない!まさに“強者”の戦い方

 ここぞという場面でビッグセーブを見せる大迫敬介、そして鉄板の3バックの守備力、攻撃力も、サンフレッチェの強さを支えている要因でしょう。

 右CBの塩谷司、左CBの佐々木翔がそれぞれの特徴を活かして攻撃参加することで攻撃に厚みを加えることができていますし、守備面では荒木隼人のプレーも毎試合目を見張るものがあります。外国人選手をはじめとする手強い相手が向かってくる中で、決して競り負けないフィジカルの強さは頼もしい限りです。

 4月19日(ルヴァン杯グループステージ・神戸戦、○2ー1)では、ルーキー・中野就斗のプロ初ゴールもありました。

 なかなかスタメンで出場する機会には恵まれていませんが、攻撃、守備両面での中野のルーキーらしからぬ安定感は、見ていても安心できます。

 守備に徹する場面ではフィジカルの強さを発揮しますし、積極的に仕掛けたい場面では推進力を上げてくれる。状況に応じたプレーをすることができる選手ですから、監督としても、頼りにしている選手の一人なのではないでしょうか。これからのチームの中心となっていく期待の選手だと思います。

 試合終盤に強いというのは、対戦相手からすれば非常に嫌な傾向です。

 広島の選手からすれば、「後半でも絶対にいける」という自信となり、相手からすれば、「勝っているはずなのに、嫌な空気が拭えない」といった雰囲気になります。まさにこれは “強者の戦い方”。

 三冠も十分狙えるチームに、ますます期待したいと思います!