6月11日、第72回大学野球全日本選手権の決勝戦が行われ、青山学院大が18年ぶり5回目の優勝を果たした。

 全日本大学野球選手権大会は、大学野球日本一を決める選手権大会。毎年6月に開催され、北海道から九州までの各地区連盟の予選を勝ち上がった全27校が出場し、大学野球の頂点を目指して戦う。今大会の決勝では、2大会連続で東都大学野球連盟代表・青山学院大と、東京六大学野球連盟代表・明治大が対戦。青山学院大が4-0と快勝し、2005年以来となる全国制覇を飾った。

◆初出場でベスト8入り。大会特別賞に輝いたのは、日本唯一の体育系国立大

国立大出場校として、大会過去最多タイとなる2勝を挙げた鹿屋体大。(写真は特別賞授与の様子)

 今大会で特に注目を集めたのが、初出場となった鹿屋体大(九州地区大学野球連盟南部代表)だ。鹿屋体大は日本で唯一の体育系国立大であり、アテネ五輪の競泳女子金メダリスト・柴田亜衣らをはじめ、多くのアスリートを輩出している。

 鹿屋体大は、初戦で同じく公立大の高知工科大(四国地区大学野球連盟代表)と対戦。序盤に3点を先制し、5-3でチーム初勝利を飾ると、2戦目では西の強豪・近畿大(関西学生野球連盟代表)を相手に2年生投手の森田希夢が9回136球1失点の好投。打線の援護もあり、5-1と快勝しベスト8入りを果たした。

 ベスト4入りを目指して臨んだ3戦目の白鴎大戦では、試合中盤に4失点し今大会初のビハインドで終盤を迎える。3点を追う9回には主将・原俊太の本塁打も飛び出したが、反撃はあと一歩及ばず、4-3で敗戦となった。

 今大会の最高殊勲選手賞・最優秀投手賞は、青山学院大の常廣羽也斗が受賞。首位打者賞は明治大の飯森太慈が、同じく明治大の小島大河が敢闘賞を受賞した。初出場ながら2勝を挙げベスト8入りを果たした鹿屋体大には、大会協賛企業のエイジェックから特別賞が贈られている。

 優勝旗を九州に持ち帰る夢こそ叶わなかったが、鹿屋体大は、大学野球選手権の歴史にその名を刻んだ。