プロ野球・広島東洋カープ、サッカーJ1・サンフレッチェ広島をはじめ、多数のスポーツチームが存在する広島県。広島アスリートマガジンの連載《HIROSHIMA SPORTS NAVI》では、スポーツ王国と呼ばれる広島で活躍するスポーツチームから、選手自らがナビゲーターとなりチームや競技の魅力を紹介する。

 今回は『中国電力レッドレグリオンズ』から、地元・広島県出身の有藤孔次朗が登場。スクラムの最前線でチームを支える有藤選手が、ラグビーの魅力を語ります!

プレー中の有藤選手 (写真中央)。スクラムの最前線で組み合い、時には相手を崩すための勝負に出る重要なポジションだ。

スクラム最前線が主戦場。まさに『縁の下の力持ち』

 僕たち中国電力レッドレグリオンズは、1987年に創部した、広島県をホームとするラグビーチームです。選手は日中、中国電力の社員として働きながら、業務後や週末にトレーニングしています。

 今回は、僕たち中国電力レッドレグリオンズというチームについて、そして今年9月にW杯を控えているラグビーという競技について紹介させていただきます。

 僕がラグビーと出会ったのは、小学4年の時です。その頃は、柔道や相撲といった他のスポーツを習っていたのですが、友達のお父さんが地元の竹原市でラグビー教室をやっていて、「体格が良いから一度来てみないか」と誘われたことがきっかけでした。

 ポジションは『プロップ』といって、一番の役目はスクラムの最前線で相手とぶつかり合うことです。体が大きくて、身長も高い選手が務めることが多いポジションですね。ボールを持って駆け抜けたり、トライを決めたりといった花形ではありませんが、個人的には、ラグビーの醍醐味はスクラムだと感じています。プロップがしっかりして、スクラムが安定していなければ、試合は成り立ちません。「スクラムを制したチームが試合を制する」。そんな風に感じるこのポジションに、僕は誇りを持ってプレーしています。

 プロップは、身長は180〜190センチ、体重は120キロ前後の選手がざらにいるポジションなのですが、そのなかでも174センチ、101キロの僕はかなり小柄なほうです。ただ、その『小柄である』という特徴を逆に活かした、『低い位置から相手をめくりあげる』プレーは僕自身の持ち味の一つだと思っています。また、現代のラグビーにおいては、プロップというポジションに対して、スクラム以外にも機動力が求められることが多くなっています。『プロップでありながらよく走れる』というところも僕自身の特徴だと思っているので、そんなところにも注目してもらいたいと思っています。

 ラグビーは選手同士が防具をほとんどつけず、生身で激しくぶつかり合うフルコンタクトスポーツなので、必要のない筋肉というものがありません。アスリートが筋肉を鍛えるというと、ベンチプレスなどのトレーニングをイメージするかもしれません。実際にそういったトレーニングも取り入れていますし、僕もベンチプレスで最高200キロの重さを挙げたことがありますが、日頃のトレーニングでは、全身を鍛えることも大切にしています。体を大きくするだけでなく、筋肉の連動を意識したり、有酸素運動を組み合わせたりしながら、バランスよく、全身を鍛えるようにしています。

《プロフィール》
有藤 孔次朗 (ありとう・こうじろう)
1998年3月24日生、広島県出身。中央大を経て中国電力レッドレグリオンズに加入。大学2年時にはラグビーユニオンのナショナルチームであるジュニア・ジャパンに選出された。ポジションはプロップ。

【 中国電力レッドレグリオンズ 】
1987年に創部した中国電力を母体とするラグビー部。陸上競技部、女子卓球部とともに同社のカンパニースポーツとして活動している。2003年のトップリーグ開幕後はトップキュウシュウAに所属。2017年に上位リーグにあたるトップチャレンジリーグに昇格した。2021年に開幕したJAPAN RUGBY LEAGUE ONEでは、DIVISION3(3部リーグ)に所属している。

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