カープ堂林翔太の勢いが止まらない。今季、2014年以来6年ぶりとなる開幕スタメンをつかむと好調な打撃をキープし続けている。

 開幕第2戦で4安打を放つと、6月25日の巨人戦では2017年以来1121日ぶりの本塁打、さらに7月8日のDeNA戦では逆転満塁本塁打を放つなど、印象的な活躍を見せてきた。安打もコンスタントに打ち続け、7月13日現在での打率.414は、堂々のセ・リーグトップだ。

 今季プロ11年目を迎える堂林は、毎年のように周囲から期待されながらも悔しいシーズンが続いた。ここでは、堂林が一軍デビューし、ブレークを果たしたプロ3年目、2012年に語っていた8年前のインタビューを改めて振り返っていく。

開幕から打撃好調を維持する堂林翔太選手。

一軍で過ごす日々は充実しているように感じます。
「二軍とはプレッシャーが全く違いますし、その中でやれていることが大きいですね。「二軍でいくら練習しても、一軍の試合に出ている選手には敵わない」と言われたことがあるのですが、今はその意味がすごく分かります。二軍で得られないものを一軍の試合で得られていると思いますし、成長の幅も大きいと思っています」

それは経験的なものなのでしょうか。それとも精神的なものなのでしょうか?
「どちらもあると思います。たとえば二軍でいくら数多くノックを受けても、一軍の試合で飛んできた打球1つの方が絶対にうまくなると思います。あの雰囲気とプレッシャーの中での1球は全然違います」

一軍の試合に出場し続けたことで試合の中での視野は広がりましたか?
「開幕戦のときに比べたら少しは落ち着けているとは思いますし、周りも見えるようになってきたんじゃないかと思います。でも落ち着こうとは思わずに常に一杯一杯の気持ちを持っているというか、一生懸命にプレーするのは当たり前なんですけど余裕は持ちたくないんです。だから周りから『余裕ができ始めたね』と言われると、自分の中で『浮かれているのかな』と思ってしまいます」