カープ一筋15年目。プロ3年目に一軍デビュー以来、喜びや苦労、様々な経験を重ねてきた堂林翔太。今季は選手会長に就任し、新たなリーダーとして6年ぶりの優勝を目指すチームのまとめ役を担う。ここでは、新リーダー・堂林翔太の今に迫っていく(全2回/1回目)。

マツダスタジアムでの試合後、列の中央でファンに挨拶をする堂林

選手会長として、姿で引っ張りたい

─まず選手会長就任について伺います。昨年、大瀬良大地投手から引き継いでから、変わったこと、自身の意識の変化などはありますか?

「僕自身がこれまで本当にキャプテンのような経験がなかったので、未知な状態で始まった今シーズンでした。選手会長になって大きくは変わらないですが、より周りのことを気にする意識が高まった実感があります。もちろん、選手会長ではないときも当然、先輩後輩と気遣いすることはありましたけどね」

─キャンプから本格的に選手会長として見られる場面が増えたと思います。

「そうですね。振り返ってみると、今年のキャンプは年下の選手が多かったので、今までとは違う雰囲気の中でのキャンプだったと思います。僕よりも年上の選手は二軍で調整される方が多くて、一軍は(田中)広輔さんと菊池(涼介)さんくらいだったので、今までにない雰囲気の中でキャンプを過ごしました。一番は声がけする場面が増えましたね。たわいのない会話などから、若い選手たちとコミュニケーションを取るようにしていました」

─周囲の若手選手に気に掛けるなかで、個人練習についてはいかがでしたか?

「練習については任される部分も多かったですし、そういう面でも初めての感覚がありました。それだけに例年以上に気が抜けないなという感じでした」

─若い選手が多いなかで、見られている意識もあったのでしょうか?

「練習時間も一緒にならない時間が多かったですが、若い選手と一緒になっている時間は『自分もまだまだ元気だよ。まだまだ負けないぞ』という意識というか、若い子たちを引っ張っていく、そんな時間だったと思います」