カープ一筋15年目。プロ3年目に一軍デビュー以来、喜びや苦労、様々な経験を重ねてきた堂林翔太。今季は選手会長に就任し、新たなリーダーとして6年ぶりの優勝を目指すチームのまとめ役を担う。ここでは、新リーダー・堂林翔太の思いに迫る(取材は5月上旬・全2回/2回目)。

プロ15年目を迎えている堂林翔太選手

◆どんな形でもチームに貢献したい

─開幕から打撃の調子についてはいかがでしょうか?

「正直言って、めちゃくちゃ良いわけではないですけど、それなりにヒットが割と出てはいました。自分がイメージしているような理想の打球がなかなか試合の中で出ていない……そんな状況が続いていますね」

─具体的にどのような部分に問題があるのでしょうか?

「今年のヒットもレフト方向ばかり、しかも打球も上がっていない状況です。もう少し逆方向への打球が増えてくれば状況も良くなってくると思っています。昨年良かった時期と同じような練習をやっているわけではなく、違う方法を試しながら練習を続けています」

─新井監督からも個人指導の場面がありました。

「そうですね、新井監督から『どんな感じだ?』という言葉をいただいて、そこからアドバイスをいただけるような会話になっていきました。打席の中で構えたときに、トップの位置が浅すぎるという点を指摘されました。たとえるなら弓矢で弓を引けてないというイメージでしょうか。弓を引けてないところから、スイングをしているような状況なので、打球が飛ばないというか。自分の中でトップの位置を意識する、という部分などをアドバイスしていただきました」

─33歳を迎えるシーズンですが、体力面はいかがですか?

「あまり今のところまだ感じてないんですが、 衰えたというのは全く感じないですし、まだまだ行けるというのも自分で思いながらプレーできています。トレーニングでいうと、1年前から本格的に体幹トレーニングを入れるようにして、より意識して体幹を鍛えています。周囲の先輩方などからも、衰えは急に来るという話を聞きます。もちろん、いつかは衰えると思いますが、そのスピードが少しでも落とせるように、自分でしっかりとしたトレーニングを継続していきたいですね」

─新井監督就任2年目ですが、チームの雰囲気はどう感じていますか?

「昨年と変わらないと思います。若い選手もよく声が出ていますし、雰囲気は良いですね。また監督は『みんなに期待している』と常に言っておられます。 僕もこういう立場にならせていただいて、よりやらなくちゃいけないなという気持ちでいます」

─立場も変わって、監督から言葉などはあったのでしょうか?

「昨年、選手会長になりますという話をさせてもらった時に、『肩に力が入り過ぎず、少し周りのこと見てくれれば』と声をかけていただきました。僕にとってはすごくありがたい言葉でした」

─選手会長として特別なシーズンを過ごされていると思います。個人として数字的な目標設定などはあるのでしょうか。

「正直、本当にそういう目標設定はなくて、1年間どんな形でも良いのでチームに貢献できればと思っています。それが一番ですし、選手会長として、なんとかチームが良い方向に進むようにしたいという思いです」