7月18日に中学硬式野球・ポニーリーグの日本一を決める『マルハングループインビテーション 大倉カップ第51回全日本選手権大会』が開幕した。本大会の優勝者は8月27日に開幕する『3rd エイジェックカップ 中学硬式野球グランドチャンピオンシリーズ』の出場権を獲得することができる。

 ここでは、中学硬式野球出身の選手の今をお送りする。今回はポニーリーグで腕を磨き、祐誠高-上武大を経て、2024年ドラフト3位で巨人へ入団した、ポニーリーグ・久留米ペトリオッズOBの荒巻悠を紹介する。

上武大時代の荒巻悠

 プロ1年目の今季、荒巻は6月19日に約2カ月ぶりに一軍昇格を果たすと、途中出場でコンスタントにヒットを放つ活躍を見せ、7月9日にはスタメン出場でプロ初ホームランと猛打賞を記録するなど、将来の4番候補として必死に喰らいつく毎日を送っている。

 祐誠高、上武大では183センチ・94キロの体格から放たれる長打を武器にする「4番・一塁手」として活躍しプロ入りしたが、中学時代にプレーしたポニー久留米ペトリオッズ時代は、今と全く異なる特徴の選手だったという。小柄な「2番・二塁手」で、送りバントやヒットエンドランなどの小技を武器にする選手だった。

 ポニー久留米ペトリオッズでは、選手たちが目的意識を持ち、「こんな練習がしたい」と言えば、指導陣が尊重してくれるチームの文化がある。「自分に何が足りないかを考えて練習するのは、今も生きています」と荒巻は振り返る。

 中学野球引退後、荒巻に転機が訪れる。170センチに満たなかった身長が急激に伸び、高校入学時には177センチに達したのだ。体重も増えたため、今までの感覚で一生懸命走っても、「全然前に進まないな」と荒巻は苛立ちを覚えるようになった。

 そんな荒巻に「ホームランを打てばいいやん」と言ったのが、祐誠高の久保田裕樹コーチだった。それ以来、荒巻は久保田コーチと二人三脚で飛距離を追求した。高校通算で37本塁打をマークし、プロが注目するほどの強打者に変身したのだった。

 「中学で野球を諦めるなんてもったいない。どんなに苦しくても頑張って続けていれば、どこかで花が咲く時が訪れると思います」荒巻悠の言葉には、実感がこもっている。

荒巻 悠(あらまき・ゆう)
2002年12月23日生まれ/福岡県出身
184センチ/93キロ/内野手
久留米ペトリオッズー祐誠高-上武大ー巨人(2024年ドラフト3位)