今シーズン、カープ投手陣は速球派の若手投手が躍動している。その中でも存在感を示しているのが、勝ち試合の終盤にセットアッパーとして地位を確立しつつあるプロ6年目の左腕・塹江敦哉だ。

 自身初の開幕一軍入りを果たすと、序盤から8試合連続無失点と安定感を見せ続ける中で、7月8日のDeNA戦(マツダスタジアム)ではうれしいプロ初勝利を手にした。結果を残し続ける中で、塹江の立ち位置は徐々に試合終盤の重要な場面へと変わっていった。一軍のブルペンに欠かせない存在へと成長した、背番号36に現在の心境を聞いた。

序盤から中継ぎとして結果を残し、カープ中継ぎ陣に欠かせない存在となった

◆改めてチームの勝ちを守り抜く大変さを感じている

─ 中継ぎとして昨季とは違った立場での登板が続いています。自身の投球を振り返った印象を聞かせてください。

「良い部分としては僅差だったり、勝ちゲームなど開幕から良い場面でどんどん投げさせてもらえるようになってきましたが、投げる場面が変わっても大きく変わらずに自分の投球ができているように思います。課題も同じで、自分の投球ができていると感じながらも、力が足りない部分だったり、ピンチの場面であるとか、そういうときに、もっといろいろできたら……と思うところはあります」

─ 開幕から8試合連続で無失点が続きました。結果がついてくる中でプレッシャーを感じる面はありましたか?

「無失点が続いているということに関してはプレッシャーを感じたということはありません。自分にできることがすごく多いわけではないので、とにかく今は自分の力を出し切ることに集中しています。そういう中で、改めてチームの勝ちを守り抜くというのはすごく大変なことだなと感じています」

─ 厳しい場面での登板が続きますが、手応えを感じた登板はありますか?

「本当にラッキーで抑えられたりとか、逆にアンラッキーで点を奪われたりだとかありますが、その中で自分の力を毎試合出せるかどうか? というところだけに意識を置いています。なので手応えという意味では今の展開で安定して抑えられているかと言うと、まだまだと思っています」

─ 左打者と右打者では、1割以上被打率が変わりますが、右打者に対する苦手意識はありますか?

「苦手意識はないですが、左打者に対しての方ができていることが多いので結果として出ているという印象ですね。やはり右打者に対してはインコースのストレートとスライダーをしっかり投げ切れれば、もう少し被打率も下がるのではないかと思います。ですが、長打を警戒すると外とか低めという部分に意識を置いてしまって、そこを打たれてしまうということがあったり、そこに投げようとして甘く入ってしまうということが、まだまだ技術不足だと思います。すぐにできる対策としてはインコースのストレートを割合として増やしていくこと、あとはスライダーを高い確率で投げられるよう制球力を上げることだと考えています」