新型コロナウイルスの影響で、各球団が例年とはまったく異なるシーズンを送っている。今季は交流戦やオールスターゲームなどが中止となり、シーズンも通常とは20試合以上少ない120試合制で開催されている。

リリーフ陣の不調が響くなど、カープはなかなか波に乗ることができなかった。

 そんななかカープは開幕直後から波に乗ることができず、折り返し地点となる60試合目(8月30日、阪神戦)を終えた段階で24勝30敗6分の5位。首位・巨人から10ゲーム差をつけられるなど、後半戦突入を前にして厳しい状況に追い込まれていた。

 はたして前半戦の勝率.444という数字は、過去5年間のシーズンと比べてどれほどのものなのか? 過去5年間の前半戦(オールスターゲーム前)の成績を振り返ることで、カープの現状を再確認してみたい。

◆2015年/打線が沈黙。前半戦の失速が響き3年ぶりのBクラスに/38勝42敗1分
<シーズン順位・4位/69勝71敗3分>

 緒方孝市新監督で迎えた2015年。シーズン開幕を前にして、黒田博樹と新井貴浩が8年ぶりに揃ってカープに復帰。直近の2年間で連続でAクラス入りを果たしていたこともあり、優勝に向けての機運は最高潮に高まっていた。

 ところが4月末の時点で9勝16敗の成績で最下位に沈むなど、球団を取り巻く熱とは反比例する形でシーズンが進行。鯉の季節に入っても最下位を抜け出すことができず、まずは勝率を5割に戻すことが最優先事項となった。

 低迷の要因となったのが打撃陣の不振。チームを引っ張る存在として期待された菊池涼介、丸佳浩の“キクマルコンビ”が想定外の不振に陥り、シーズンを通じて得点力不足に悩まされた。結果、0.5ゲーム差及ばすの4位でシーズンを終了。前半戦の失速が最後まで響く形となってしまった。