2018年のドラフトでは、カープが2年連続で高校生野手のホープを引き当てた。未来の主力選手を発掘、指名していく過程の中で、これまでカープはどのような戦略を立ててドラフトに臨んできたのだろうか?

 今回は4球団が競合するなか、1位指名で小園海斗の交渉権を引き当てた2018年のドラフトを振り返る。

今季は2018年に指名された選手の飛躍が目立つシーズンとなった。

 世代に限らず有力選手が点在するなか、2018年は主に高校生野手に注目が集なる年となった。実際のドラフト会議でも根尾昂(大阪桐蔭高)、小園海斗(報徳学園高)に4球団、藤原恭太(大阪桐蔭高)に3球団と指名が重複。1位での単独指名は西武の松本航(日本体育大)のみという、稀有なドラフト会議となった。

小園海斗選手

 その中でカープは、2年連続でU18にも選出された小園を指名。ソフトバンク、オリックス、DeNAとの抽選を制し、走攻守3拍子そろったゴールデンルーキーの獲得に成功した。

島内颯太郎投手

 2位以降も粒揃いで、小園の次に指名されたのは大瀬良大地の後輩である島内颯太郎(九州共立大)。ブレイクの兆しを見える右腕が投じる直球の威力は、球界でもトップクラスの呼び声が高い。

 高卒野手の3位・林晃汰(智弁和歌山高)と7位・羽月隆太郎(神村学園高)は、共に今季中に一軍初昇格を経験。ウエスタン・リーグでは安打や本塁打、盗塁などの主要な打撃ランキングで上位に名を連ねている。

 同じく一軍初昇格を果たした6位の正隋優弥(亜細亜大)はプロ初安打を持ち味の本塁打で飾り、5位の田中法彦(菰野高)も二軍で防御率、セーブ数でリーグ1位を記録し10月29日の一軍初登板では1回を無失点で乗り切った。4位の中神拓都も一軍昇格を目指し、二軍で50試合以上に出場するなど日々奮闘中だ。

大盛穂選手

 そして極め付けは、昨季オフに支配下登録を勝ち取った大盛穂(静岡産業大)の大躍進だろう。カープの育成出身選手として中谷翼以来10年ぶりに安打を記録するだけではなく、7月24日の昇格以降は降格を味わうことなく一軍に定着。試合出場はスタメンを含め60試合を超え、レギュラー獲得を目指し奮闘している。

【2018年 カープドラフト指名選手】
1位:小園海斗(報徳学園高・内野手)
2位:島内颯太郎(九州共立大・投手)
3位:林晃汰(智弁和歌山高・内野手)
4位:中神拓都(市立岐阜商高・外野手)
5位:田中法彦(菰野高・投手)
6位:正隋優弥(亜細亜大・外野手)
7位:羽月隆太郎(神村学園高・内野手)
育成ドラフト1位:大盛穂(静岡産業大・外野手)