昨季は出場機会を増やすため外野手にも挑戦した坂倉将吾。しかし、今季は再び捕手一本に絞りシーズン前から調整を続けてきた。結果、春先から攻守両面で好調をキープし、捕手としても47試合のスタメンマスクを経験。昨年まで捕手スタメンがゼロだったとは思えない活躍で、“打てる捕手”として大きく飛躍を遂げた。攻守の要として一軍に欠かせない選手へと成長した坂倉が、コロナ禍で揺れた今シーズンを振り返る。

打撃成績の全てでキャリアハイの数字を残した坂倉将吾選手。

◆頭を整理して試合に出ることができるようになった

─ 今年は捕手として数多くの経験をされました。試合に出ることで成長した、収穫があったと感じる部分があれば聞かせてください。

「僕からすると、まだまだ“出していただいた”という表現になりますが、その中で、試合を重ねるにつれて、しっかりと頭を整理して試合に出ることができるようになったと思っています。まだまだ捕手として足りない部分は多いですけど、準備に対する考え方と取り組みは、昨年から成長できた部分だと思います」

─ 今季限りで石原慶幸選手が引退となりました。坂倉選手にとって、石原選手はどんな存在でしたか?

「雲の上の存在であり、今の自分では手の届かないような存在でした」

─ 石原選手との思い出で印象に残っていることはありますか?

「今年試合に出してもらえるようになって、最初のうちはあたふたすることも多かったのですが、そのときに『テンパってるんじゃねーよ』と気軽に声をかけていただき、気持ちを楽にしてくださいました。練習中でも試合中でも、質問をするといつでも丁寧に教えていただけましたし、本当に感謝しています」

─ 石原選手が引退されたことで、来季は坂倉選手にかかる期待はさらに大きくなります。全てにおいて数多くの経験を積まれたプロ4年目のシーズンだったと思いますが、坂倉選手にとって、どんな一年になりましたか?

「コロナの影響で開幕が遅れて、例年より試合数も減りましたが、自分にとってはこれまでの3年間とは、まったく違うシーズンにできたと思っています。試合に出場し、ミスも成功も含めていろんな経験ができたので、これからの野球人生に生かしていかないといけません。来年はさらに成長した姿をファンの方にみせたいですし、今年以上に、チームの勝利に数多く貢献していきたいと思っています」