プロ7年目。背水の陣で臨んだシーズンで、中村祐太がかつての輝きを取り戻した。昨季の一軍登板は、わずか2試合。しかし今季は開幕こそ二軍で迎えたが、9月の一軍昇格後は先発の一角として安定感のある投球を披露した。来季は開幕ローテ入りが期待される中村が、今季の投球内容を振り返る。
◆低めに制球できさえすればと常に思っています
─ 投球に対する考え方を変えて臨む中で二軍で調整を重ね、9月にようやく一軍登板のチャンスが巡ってきました。
「『やっと来た』という感じでしたね。やってやるぞと気持ちを引き締めて一軍に合流しました」
─ 9月20日のヤクルト戦で今季初先発となりました。どのような気持ちでマウンドに上がったのでしょうか?
「すごく緊張しました。ただ、久々の一軍マウンドだったので、その空気を楽しみながら思い切り腕を振って投げようという気持ちだけでした」
─ 今季3試合目の先発となった10月4日のヤクルト戦で5回1失点に抑えて2018年以来の白星を挙げました。それまでの登板と変えた部分があれば教えてください。
「今季初登板のヤクルト戦、そして2戦目のDeNA戦は、2試合連続で先頭打者にホームランを打たれてしまい、先発として、チームに良い流れを持ってくることができませんでした。なので3試合目は登板までの調整を変えてみました。遠投をしてみたり、ブルペンでの球数を増やしてみたり、いろいろ試しながら臨んだ3試合目の先発でした。そのヤクルト戦も序盤からピンチを招きましたし、調子自体も良かったわけではないのですが、登板に向けた取り組み、気持ちの入れ方を変えたことが白星につながったのかもしれません」
─ 初勝利以降は先発として試合をつくるなど安定した登板が続きました。その中で、特に手応えを感じた登板を教えてください。
「手応えという面では、今季2試合目の登板となった9月27日のDeNA戦ですね。梶谷(隆幸)さんに先頭打者ホームランを打たれて初回に2点取られましたが、2回以降はあの強力打線を無失点に抑えることができたのは自信になりました。真っ直ぐにしろ、変化球にしろ、ホームランを打たれて以降は試合の中でしっかり修正できたので、そこはすごく手応えを感じましたね」
─ 一軍での登板を重ねる中で最も意識したことは、どんなことですか?
「やはり低めに投げる意識を持つことです。低めに制球できさえすればと常に思っています。あとは、その日によって変化球の曲がり方が違うので、それを確認しながら、バッテリーを組む捕手の方とも相談しながら使える球と使えない球を見極め、その日の審判のストライクゾーンも考えながら投げるようにしています」