◆足りないものがあるということは吸収できるということ

— コンディションを安定させることもプロとして大事な要素です。

「元々決められた時間に起きてご飯を食べるような規則正しい生活をする方だったので、夜に出歩くことはまずないですし、シーズンオフでも生活のサイクルは乱れません。最近は家でもホテルでも朝7時には目が覚めるんです。おじいちゃんみたいですけどね(笑)。あとは広島に来てケアに関する知識を得ることができてケガをしない体になったと思います。初めて二桁得点した2004年は体のケアを疎かにしていましたから」

— アスリートとして求められる心技体のバランスが非常に良いように感じます。

「まだまだ成長できると感じているので、自分の中で限界を感じることはありません。細かいところでも成長が見える部分があるので、その欲がある以上はしっかりサッカーと向き合っていけると思います」

— 停滞感を感じることはないのですか?

「うまくいかないことがあっても、根底にあるものは変わりませんからね。壁にぶつかってもどうしてうまくいかないのか、どこが足りないのかを考えて方向転換することが大切です。もちろん答えはひとつではないと思いますが、足りないことがあった方がいいと思うんです。自分に足りないものがあるということは吸収できるということですから。もう身長が伸びることはありませんが、それ以外の部分で成長はできます。もしかしたらそれは自分が思っているだけかもしれませんが、良い意味での勘違いも必要だと思うんです。自分には無理だろうとネガティブな思考だと可能性を閉ざしてしまいます。たとえ端から見て無理だと思われても、前向きな思考や勘違いは向上心を途切らせない意味では大事だと思います」

— ぜひとも今季、連覇を成し遂げてユニホームにもうひとつ星をつけたいですね。

「1個つけたことで2個目をつけたいという思いが強いですし、きっと2個目をつけると3個目がつけたくなるんでしょうね。でも、今のサンフレッチェは非常に良い状態にあり、それだけの結果を残せるチームだと思います。“サンフレッチェ広島”が強いクラブであることを根づかせる意味でも連覇をしたいです。あとは森保さんが監督としてもっと評価されてほしいので、そのためにも結果が一番だと思っています」

(広島アスリートマガジン2013年10月号掲載・表記、所属等は当時のまま)