各球団とのカード一回り目を、カープが貯金2で乗り切った。まずまずの滑り出しを見せたカープの戦いぶりを、OBの笘篠賢治氏が独自の目線で言及する。

4月13日の時点でリーグトップの5セーブ、防御率0.00の成績を残している栗林良吏投手。

 ついに4番・鈴木誠也に一発が出ましたね。開幕からしばらくは本塁打が出ていませんでした。

 ただ、先週お話した松山竜平が一本のヒットをきっかけに調子を上げてきたのと同じく、8日のヤクルト戦で奥川恭伸からレフトスタンドへ特大の本塁打を放つと、同じ試合の9回に長谷川宙輝から、そして翌日の巨人戦では菅野智之からと、何かから解き放たれたように本塁打が出るようになりました。

 鈴木クラスの選手になっても、一本出る出ないで大きく変わってくるんです。このまま出ないんじゃないか……と、気にしないようにしていても、心のどこかで気にしてしまうものなんです。それが一本出た途端にスッと楽になるんです。人間の心理って不思議なものですよね。

 松山とクロンがケガで離脱したことで、チームが嫌な雰囲気になりました。ただ、それを払拭するのが、やはり4番の役割なんです。そういった流れがあって、鈴木にかかる期待がこれまで以上になってくるなか、一発が出たのでホッとしました。4番としての怖さが戻ってきたことで、2人の離脱がそこまで気にならなくなりましたからね。

 ここまで各球団と一通り当たって、ヤクルト以外には勝ち越すことができました。しっかりと“今年のカープは違う“ところを見せることができたでしょう。