雨天中止を挟んでの5連敗。3年ぶりの覇権奪還を目指すカープにとって、厳しい戦いが続いている。だが、過去には怒とうの追い上げで逆転優勝を飾るなど、意地と実力を見せつけたシーズンも存在する。ここでは数回にわたり、カープが底力を見せたシーズンを振り返る。

1984年、20年目にして初の打率3割をマークし、102打点で打点王を獲得。大車輪の活躍でMVPにも輝いた衣笠祥雄氏。

◆200発打線で怒とうの追い上げ

 反撃の歴史を語る上で1978年シーズンは外せない。前半戦は開幕投手を担った高橋里志ら投手陣が不調で下位に低迷。しかし、新外国人選手のギャレット、山本浩二らが開幕から本塁打を量産するなど、赤ヘル打線が爆発した。

 後半戦には江夏豊が抑えとして試合を締め括るパターンを確立し、8月には3分を挟む6連勝、9月には1分を挟む9連勝と驚異的な追い上げを見せ3位でシーズンを終えた。山本(44本)、ギャレット(40本)、ライトル(33本)、衣笠祥雄(30本)の“30発カルテット”の破壊力はすさまじく、翌年のV2、そして初の日本一への足掛かりとなった。