背番号は時に選手の代名詞として語られるなど、アスリートにとって大きな意味を持つことも少なくない。ここではカープの選手に特化し、時代を彩った名選手の足跡を背番号と共に振り返る。

2014年ドラフト1位でカープに入団した野間峻祥選手。走攻守揃った選手だけに、今季の活躍に期待がかかる。

 カープの歴史がスタートした1950年以来、1年もブランクなく歴史を刻んでいる背番号「37」。1970年に入団した西澤正次(6位)以降、ドラフト入団選手も何人かいる。

 佐賀・鳥栖高校で活躍し、1986年のドラフト会議で3位指名を受けての入団で「37」を着けたのが、緒方孝市だ。プロ2年目の1988年に初めて一軍出場し、アメリカへの野球留学も経験。1991年には日本シリーズに先発メンバーで出場した。

 才能が開花したのが、前田智徳の負傷もあってレギュラー定着を果たした1995年。47盗塁で盗塁王を獲得し、シーズン後半には10試合連続盗塁も記録。このセ・リーグ記録はいまだに破られていない。このシーズン限りで背番号を「9」に変更。

 以後の経歴は、背番号「9」のコラムで詳述しているが、その後も盗塁王を複数回獲得しただけでなく、走攻守すべて揃ったカープらしい選手として活躍。“ビッグレッドマシン”と呼ばれた超強力打線の一角を占めた。

 また2009年の現役引退後は、背番号「79」を着けてコーチに就任。2015年には監督に就任し、翌2016年には25年ぶりのリーグ優勝を実現。そこからリーグ3連覇を果たした名采配は、カープ史に深く刻まれることになった。