◆九里の背番号を受け継いだ期待の大卒右腕

 その他、背番号「12」の歴史の中で印象的な活躍を見せた投手としては、まず1983年に「56」から変更した高木宣宏がいる。北陽高校から1981年のドラフトで3位指名を受け入団。この時の1位は津田恒実だったが、ルーキーとしての初先発は高木が先駆けた。

 その後1985年には前半戦だけで9勝を挙げる活躍を見せるが、以後は振るわず。背番号もこの年限りで「11」に変更、1989年には再び「12」に戻ってきたが、翌1990年限りで西武へ移籍した。

 2000年に「54」から変更した河野昌人も、高木と同じくドラフト(1996年)3位入団。キャリア最多の46試合に登板した2000年には日本代表チームの一員としてシドニーオリンピックに出場。予選リーグ7試合中3試合に登板し、4イニングを無失点に抑える働きを見せた。

 前述の九里から今季「12」を受け継いだのが、やはりドラフト3位入団の大道温貴だ。小学校時代には在住していたシンガポールで野球に触れ、春日部共栄高校、八戸学院大を経てプロ入りした大道は、1位の栗林良吏、2位の森浦大輔と揃って開幕一軍登録。4月1日の初登板で初ホールドを記録。月半ばには初勝利も挙げるなど、期待に応える活躍を見せている。

 今季もより多くの試合で「12」の躍動を見ることができそうだ。

【背番号『12』を背負った主なカープ選手】
田中尊(捕手/1957年-1972年)
高木宣宏(投手/1983年-1985年,1989-1990年)
河野昌人(投手/2000年-2003年)
九里亜蓮(投手/2014年-2020年)
大道温貴(投手/2021年-)
※初めて背番号を付けたシーズンのポジションを表記。