2021年春のセンバツに出場するなど、第103回全国高校野球広島大会の優勝候補として注目されているのが広島新庄高だ。

夏の広島大会を前に練習で汗を流す広島新庄高の花田侑樹(3年)。

 チームを率いるのは就任2年目の宇多村聡監督。34歳の青年監督は日々の練習で大声で選手たちを鼓舞し、共に汗を流しながら夏の広島大会に向けてチームづくりを進めてきた。

「やっと始まるなというところと、あとは不安ですかね。と言いながらもワクワクした気持ちもありますが、3年生にとっては集大成の大会になりますので、不安もありつつ楽しみもありつつというところです」

 大会対戦カードも決まったことで、宇多村監督自身も気持ちを引き締める。シード校である広島新庄高は7月18日に1回戦の神辺高-舟入高の勝者と対戦で初戦を迎える。

 同校の注目選手はエースの花田侑樹(3年)。長身から投げ下ろす直球は140キロ中盤を記録するなど威力十分。打っては4番を任されており、まさにチームの大黒柱だ。夏の大会を前に花田は、春の経験を踏まえて意気込みを話してくれた。

「(センバツでは)秋よりレベルアップした姿を見せられてよかったと思う部分もありましたけど、2回戦で負けてチャンスでも打てず悔しい思いもあるので、夏につながる良い経験になりました」

 春のセンバツでは1回戦の上田西高(長野)戦で先発し、8回途中まで無失点と好投。延長12回にはサヨナラ打を放つなど、存在感を見せつけた。「やってきたことを余すことなく、自信をもってマウンドで投げてくれたらと。そこが一番です」と宇多村監督も期待を寄せる。

 広島大会の開幕まで1週間を切り、指揮官はこう思いを語る。

「また仲間とともにもう一度甲子園でプレーしたいというのが選手たちの想いだと思いますので、一戦一戦みんなの心を一つにして、また甲子園でプレーできるように全員で頑張っていきたいと思います」

 エースで4番の花田を軸に、チーム一丸となって5年ぶり3度目となる夏の甲子園出場を目指す。