1991年、背番号37でプレーしていた時代の緒方孝市氏。

最後まで諦めないのがカープ野球

 ユニホームを脱いで半年。当然緒方氏のカープに対する思いは人一倍強い。

「ファンあってのプロ野球、カープです。やはりファンの人たちに夢や感動を与えてほしいし、勝つ事だけがすべてではありません。優勝することもあれば、負ける事もあります。自分が監督をしていた5年間というのは、最後まで諦めない野球、最後まで全力でプレーしてくれと言い続けてきました。勝負に勝つ、負けるというのは後からついてくる結果です。最後まで諦めない全力プレーを見せ続けてほしいですし、そんな姿を見せ続けることが、カープの野球だと思います。これから先もそういうチームであってほしいと思います」

 久しぶりにカープについて話す緒方氏の表情は、ユニホーム時代からは一変していた。そこにあったのは勝負師としてのものではなく、一人のOBとしての柔和な表情。現在、プロ野球界は新型コロナウイルスの影響で開幕日が定まらない状況が続いているが、緒方氏は厳しい状況下でも諦めない選手たちを今も温かい目で見守り続けている。

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