サンフレッチェ広島OB・吉田安孝氏がチームに対する愛情と情熱をぶつける全力コラム。2021年シーズン、サンフレッチェ広島は12勝13分13敗でリーグ11位に終わった。残留争いこそ回避したものの、課題の得点力不足は拭えないままだった。

 新監督を迎える今シーズン、そして、2024年の新スタジアム完成に向け、これからのサンフレッチェ広島に求められるものとは。

2021年、城福前監督に代わり、シーズン終盤5試合の指揮を執った沢田監督。

◆広島の伝統を守りながら、新監督のもとで強いチームへ

 昨シーズン終了後、沢田監督に「最後に勝てて良かった、おめでとう」と連絡をしたら、「いえいえ選手がすごいんです」と言っていました。沢田監督の人柄を考えると、〝監督のために勝ちたい〟という選手の気持ちも大きかったと思います。

 沢田監督は、ユースの監督をずっとやってきて、その後、トップチームのヘッドコーチになっただけに選手のことをよく分かっています。そういう人が現場にいるのは非常に心強いので、今後もサンフレッチェを支えていってもらいたいと思います。

 今シーズンに目を向けると、新監督にはミヒャエル・スキッベ氏が就任することが決まりました。

 ギリシャの代表監督を務めたほか、ドイツでU-18の監督経験があるので、育成型クラブのサンフレッチェにフィットするのではないかと期待しています。今年は現有戦力を中心に戦っていくとのことですが、スキッベ氏がどのようなチームをつくっていくのかは未知数。ただ、サンフレッチェの伝統は、新しい監督になっても変わらないはずです。

 フォア・ザ・チームの姿勢や、最後まで諦めない気持ち、年代関係なく一つになって戦うといった伝統を貫きながら、新監督が目指すサッカーを、各選手が理解して取り組んでいくことが大事だと思います。

 これからの2年間は、2024年完成予定の新スタジアムに向けて大切なシーズンになると思います。まずはJ1に残ることが一番ですが、面白く魅力的なサッカーをして上位を目指してほしい。選手たちはそれを実現できる力を持っています。

 そのためにも、オフはゆっくりと休んでコンディションをしっかりと整え、怪我人は怪我を早く治して、キャンプに向けて取り組んでもらいたいです。

 ひとまず、選手、監督、関係者の皆さま、2021年シーズン本当にお疲れさまでした!