日に日に熱を帯びるカープの春季キャンプ。4年ぶりのAクラス、その先にあるリーグ優勝を目指し、3年目を迎える佐々岡真司監督がどのようなチームを作り上げていくか注目が集まる。

 2022年シーズン、カープが優勝争いをする上で重要になるトピックスの一つが、守護神・栗林良吏へと勝利のバトンをつなぐ“セットアッパー”だ。

 昨季活躍した森浦大輔や島内颯太郎、ケムナ誠などの若手投手が候補になってくることが予想されるが、3年ぶりの一軍キャンプに招集された中﨑翔太も虎視眈々とその座を狙っている。

 2016年からのリーグ3連覇に守護神として貢献した中﨑。3年連続で胴上げ投手になるも、2019年からはケガの影響もあり低迷。2021年はわずか4試合の登板に終わった。

 ここでは、守護神として初めてシーズンを投げ抜いた2015年オフの中﨑のインタビューを再収録する。復活が待たれるベテランリリーバーが、当時話していた、守護神としての自覚と責任とは。
※『広島アスリートマガジン』2016年1月号の記事を再編集。

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今年の春季キャンプでは初日からブルペン入り。復活が期待される中﨑翔太。

◆責任感が自分を成長させた

―2015年はシーズン序盤からクローザーに就き、シーズン最後までその役割を全うしました。

「自分の力で勝ち取ったポジションではありませんが、与えられたポジションを最後までやりきったことはプラスに捉えています。首脳陣の方にはそこまで良い成績を残してたわけではない自分を我慢して使ってもらっていたので、とても感謝しています。いつまでも自分も我慢して使ってもらう立場ではないと思うので2016年はもっと成長しなければいけません」

―クローザーを務めることにやりがいは感じましたか?

「やりがいという部分では今までとあまり変化はありませんし、どこで投げてもやることは変わりません。プレッシャーがかかっていてもいなくても、自分自身特に変化はありませんし、そういうことはあまり考えないようにしていました。」

―精神的に厳しかった時期はありますか?

「良い成績を残していたわけではないのに、クローザーに指名されたときは、本当に自分で大丈夫かな? と不安に思う気持ちはありました」

―そうした思いはどのようにして乗り越えていったのですか?

「抑えを務める人がころころと変わってしまっては良くないと思っていたので、とにかくやるしかないと強い気持ちを持ちました。また結果が出ないなら、それまで以上の練習をしないと解決できないという考えのもと、とにかく弱気な素振りを周囲に見せないように練習をしていました」

―クローザーという立場がそのような思いを中﨑投手に持たせたのでしょうか?

「一番後ろで投げる投手はおどおどしたり、マウンドで悩んだり、そういう姿を見せてはいけないと思っていました。自分も最初の頃はそう見えていたかもしれませんが、抑えることに集中しているうちに、自然と表情も引き締まっていきました。」