◆初年度はインパクト重視

 たとえば2014年に大地が入ったことにより、「大地はローテ確実、となると残りは何枠か?」となる。そういうことはプロでやっている選手ならば誰でも敏感に感じている。つまり新人選手が入ってくることは、現有戦力の危機意識に火を点けることになるのだ。

 また、若い選手が増えてくると、お互いライバルとして刺激しあい、相乗効果で一気に伸びていくという現象が起きる。そういう意味で2014年は大地、九里、一岡(竜司)といったニューカマーと、(中田)廉、戸田(隆矢)、中﨑(翔太)といった現有戦力が切磋琢磨して伸びてくれた年だったと感じている。

 そんな新しい戦力を得ると同時に、僕の指導法も変化した。僕の5年間の監督人生の中で、もっとも劇的に変化したのが2010年から2011年に変わるタイミングだ。

 2010年、僕は殴り込みのような気持ちでチームにぶつかっていった。とにかくインパクト重視、危機感だけに突き動かされ、自分自身がシャカリキに動いていた。自らノックを施し、自分から選手たちに話しかける。口からツバを飛ばして、直接選手を叱り飛ばした。

 しかしガムシャラにやったのはいいが、1年間自分なりのスタイルでやってみて思うような結果は出せなかった。僕は何かを変えなければいけないと強く感じていた。これまでと同じやり方を続けていてもチームは強くならないと痛感していた。