開幕から好スタートを決めたカープ。4月22日のDeNA戦、ついに佐々岡監督が打線改造に動いた。
今季の広島打線は開幕から1番・西川龍馬、2番・菊池涼介、3番・小園海斗のラインアップで上位打線を固定していたが、小園が打率1割台に留まったため、一時解体。西川を3番に回し、1番に俊足の大盛穂や打撃好調の堂林翔太を起用した。
さらなる浮上を目指す中で現時点でのカープの課題を探ってみたい。(成績は4月25日終了時点)
◆長打力不足を補う“つなぐ”攻撃
開幕から25試合を終え、リーグトップのチーム打率.260、巨人に次ぐリーグ2位の111得点を記録している広島打線だが、本塁打数はリーグ最少の8本。やはり鈴木誠也の穴を埋め切れていないように見える。
それにも関わらず、得点力があるのはコツコツ繋げている証拠ではあるが、現在のチーム得点圏打率は.310。こちらもリーグトップだが、シーズンを通せば、チーム打率からプラスマイナス1~2分程度に落ち着く数値なので、現在の得点力はさすがに「上振れ」と見るのが妥当だろう。
長打力の面では、21試合の出場で打率.240、2本塁打に留まっているマクブルームがカギを握る。数字こそ残せていないものの、出塁率.333が示す通り、しっかりと四球を選べており、なおかつスイングに一貫性があるため、評論家などからの評価は決して低くない。
コロナ禍による入国制限でほぼぶっつけ本番でシーズンに入っており、フィットするならそろそろだろう。
若武者・林晃汰の本格ブレイクも待ち遠しい。オープン戦で打率1割台、0本塁打と不調に陥り、二軍で再修行中だが、未来の4番を担う逸材であることは間違いない。
◆理想は走れる1番打者の固定
もうひとつ上積みのポイントを挙げるならば、2番・菊池涼介のバントの多さだ。開幕から11犠打を決め、断トツのリーグトップに立っている菊池だが、打撃自体も好調で打率.309をマークしている。
ここまで1番・西川が出塁し、2番・菊池がバントで送る「オーソドックス」な展開がハマったが、菊池の打撃好調からすれば、機会損失と言えなくもない。
西川の3番起用で空いたトップバッターの座に誰が収めるかも現在の見所だろう。最有力候補は堂林翔太。昨季は極度の打撃不振に陥ったが、今季はここまで打率.313と息を吹き返している。
打撃に注目が集まりがちだが、2020年には17盗塁(4盗塁死)と高い盗塁成功率を記録しており、チーム屈指の盗塁技術を持っている。
しっかりと塁を盗める1番打者がいれば、2番・菊池に強攻のオプションが生まれるはず。打線解体後の初戦、大盛穂をトップバッターで起用したのは、そうした佐々岡監督の期待もあっただろう。
現在の打撃不振はさておき、将来的にはやはり小園海斗が座るべき位置だ。昨季は4盗塁4盗塁死に終わり、自身も「盗塁は苦手」と認めている小園だが、足の速さは知っての通り。打撃はもちろん、盗塁技術もレベルアップすれば、この先10年は、トップバッターは安泰になるはずだ。